鞄の総合メーカーのエースは5月20日に、女性向けのセルフケアブランド「ペース(PACE)」を立ち上げる。「女性の移動をサポートする」ことを目的に、吸水ショーツ(税込3600円、3900円)やデリケートゾーン用ケアミスト(30mL/2850円)、CBD5%オイル(10mL/4200円)、CBDロールオン(8mL/2200円)、和漢ブレンドティー(同1800円)とさまざまなアプローチのセルフケア商材を企画。同日立ち上げる公式オンラインサイトを主販路に、今後は卸販売も検討していく。
1940年の創業以来バッグやラゲージなどを中心に扱ってきた同社だが、コロナ禍で移動の制限が強いられる中、企業ビジョンである「ひとの移動をサポートする」ことの意味を問い直し、新規事業の開拓を模索していた。21年1月には新部署を立ち上げ、新規事業開発のための提案を社内で募った。そこで採用されたのが、入社4年目の市川美樹さんが提案した「ペース」だ。
市川さんは提案にあたり、「“移動”の意味を拡大解釈し、人生そのものを一つの旅路として考えた。生理や更年期など、女性の道の上にだけ転がっている小石のようなものがある。私自身もそうしたことに日常が左右される経験をしてきた。多くの人がいつでも自分の“ペース”で歩けるようサポートしたいという思いを込めた」と話す。
普段からフェムテック商材をよく活用していたという市川さん。吸水ショーツは、履き心地の良いオーガニックコットンを採用し、吸水パッドの部分は経血の量や色の変化に気づきやすいようグレーカラーにするなど、自身が既存商品に対して感じていた改善点を盛り込みながら企画した。「旅行などの大きな移動から、子どもと公園に遊びに行く、スーパーに行くといった日常の小さな移動も含めて、さまざまな場面で使用できる幅広い商品ラインアップを強みにしていく」という。
同事業を管轄する野口雄一郎・取締役海外事業部長兼事業開発部長は、「女性の移動をサポートすることを軸にさまざまな商品やサービスへ展開していくことを期待する。またゆくゆくは、海外も目指してほしい。若い社員が自分のアイデアを形にしたことを実績に、次なる新たな事業につなげていきたい」と話した。