ジャックムス(JACQUEMUS)の最高経営責任者(CEO)に、パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)のバスティアン・ダグザン(Bastien Daguzan)前ジェネラル・ディレクターが5月20日付で就任した。これまでは創業者のサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)=クリエティブ・ディレクターがCEO職も兼任していた。
ダグザン新CEOは、1984年フランス生まれ。2009年から13年までクリス ヴァン アッシュ(KRIS VAN ASSCHE)でデベロップメント・ディレクターを務めた後、13年にルメール(LEMAIRE)のCEOに就任。17年3月にプーチ(PUIG)が擁するパコ ラバンヌのジェネラル・ディレクターに就任してからは、同ブランドのリブランディングを指揮し、2年間で売り上げを3倍に伸ばした。また、アパレルとフレグランスの連携を促す“ワン・ラバンヌ(ONE RABANNE)”戦略を実施し、19年にはフレグランス“パコレクション(PACOLLECTION)”をローンチした。
「ジャックムス」は、ジャックムス=クリエティブ・ディレクターが09年にアトリエを構えたところからスタート。10年秋冬シーズンに初コレクションを披露して注目を集め、13年春夏からはパリ・ファッション・ウイークの公式スケジュールでコレクションを発表している。上場していないため決算を開示していないが、18年の売上高は1150万ユーロ(約15億円)だったという。また、19年には2300万〜2500万ユーロ(約31億〜33億円)の売り上げを見込んでいるとジャックムス=クリエティブ・ディレクターは当時、米「WWD」のインタビューで語っている。
「ジャックムス」はプーチと協業してビューティ分野に進出すると一部の海外メディアが21年10月に報じたものの、現時点で正式な発表はされていない。しかし、最近ジャックムスが裁判所に提出した書類によれば、ジャックムス ラ ボーテ(JACQUEMUS LA BEAUTE)という会社のプレジデントとして、ジャックムス=クリエティブ・ディレクターの名前が記載されているという。