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LA発コスメブランド「モーフィー」に集団訴訟提起 「目の周りに使用すると安全ではない成分」を含んだアイシャドウを販売か

 ロサンゼルス発のコスメブランド「モーフィー(MORPHE)」の消費者は4月、同ブランドが販売するアイシャドウなどに目元に使用すると安全ではない成分が配合されていたこと、またその事実について適切に注意喚起を行わず、目元や目の周りへの使用を推奨したことなどが不当表示や製造物責任法違反などに当たるとして、運営会社のモーフィーLLCおよび関連会社3社に対して損害賠償などを求めて提訴した。また、原告らは裁判所に対して本件を集団訴訟として認証することを求めている。

 訴状によると、着色料の承認と使用制限を決める米国食品医薬品庁(FDA)が定めた「目の周りに使用すると安全ではない成分」を「モーフィー」は多数使用しており、「モーフィー」のECサイトで“アイシャドウ・パレット”として販売する49種類のうち、43種類が目の周りへの使用を禁止されている物質を含んでいると主張する(2022年3月4日時点の情報)。また、訴状の中で原告が例の1つとして挙げている30色のアイシャドウ・パレットのうち、FDAが認めている成分を使用しているのは9色のみで、それ以外の21色には「目の周りの使用を禁じられている危険物質が含まれ」ているにもかかわらず、パッケージには「危険物質が含まれているアイシャドウを目の周りに使用したモデルが掲載されている」という。そのほか、「アイシャドウとしての使用法以外あり得ない製品」にもかかわらず、「アイシャドウ」と明記せず「プレスド・ピグメント(pressed pigment、『プレスされたピグメント』の意)」と表現することでアイシャドウとしての用途をあいまいにしようとしていると批判する。また、「プレスド・ピグメントは、目の周りの使用を想定していません」という注意書きが分かりにくいところに掲載されているケースや、「モーフィー」のECサイトで販売されている商品の中にはこうした注意書きを目にすることなく製品を購入できてしまうケースもあると主張する。

 原告らは、同ブランドのアイシャドウなどを使用したところ、重度の目の炎症や皮膚の変色、発疹など、専門医の治療を必要とする事態が発生したと主張し、集団訴訟として認められた場合の損害額は500万ドル(約6億3000万円)を超えると算定する。

 モーフィー社は08年にプロフェッショナル用のメイクブラシメーカーとして誕生。現在はカラーコスメやスキンケア商品まで幅広く展開している。自社のECのほか、化粧品小売チェーンのウルタ(ULTA)などでも取り扱っている。アイシャドウのパレットの中心価格帯は20~39ドル(約2540~4950円)。

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