小柄女性をターゲットにしたアパレルブランドやラインの立ち上げ事例が増えている。背景としてSNSの発達やボディー・ポジティブなマインドの浸透で、小柄な女性が声を上げやすくなり、また作る側にも届きやすくなったことがある。「小さいサイズの商品は限られている」「かわいい服だけではなく、かっこいい服も着たいのに」──。そんな小柄な女性の声に応え、各社は多様な選択肢を用意する。(この記事は「WWDJAPAN」5月23日号からの抜粋に加筆しています)
「155cm以下のための服」を掲げ、小柄女性の中で存在感を高めているのがEC専業の「コヒナ(COHINA)」だ。ブランドは2018年1月に発足。21年中には月商1億円を超え、インスタフォロワーは24万人(22年5月19日時点)に達した。ブランド運営のキモは、インスタ発信を軸にした顧客とのコミュニケーションと、それを元にした商品開発。インスタライブはこれまで1000日以上途切れることなく配信してきた。「とにかく積み重ねが大事。たとえばママのお客さまとのコミュニケーションの中で、子どもがいる生活を想像して服作りができるようになった」と田中絢子ディレクター。
この春立ち上げた新ブランド「エストラータ(STRATA)」は20代後半から40代に向けたブランドで、シンプル・ベーシックな「コヒナ」と比較してビビッドカラーや光沢のある素材などデザイン要素を加えた。価格帯もシャツ、ブラウスなどのトップスであれば2000〜3000円、コートなどは1万円程度「コヒナ」を上回るが、その分素材も上質なものを使用。「あるお客さまは、大切な方との初めてのデートも、プロポーズの日も、入籍する日も『コヒナ』を着ていたと教えてくださり、とても感動した。そんなふうに、女性の人生に長く寄り添う服を作っていきたい」。
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