土屋鞄製造所は、米国・カリフォルニアを拠点にするバイオテクノロジー企業のボルトスレッズ(BOLT THREADS)が開発した、キノコの菌糸体から作られたレザー代替素材「マイロ(MYLO)」を採用した新作モデルのプロトタイプを発表した。ランドセル、カバン、小物など6型を製作し、そのうち財布1型は年内に発売する予定だ。土屋鞄渋谷店では、6月9〜30日にプロトタイプの展示を行う。
同社はボルトスレッズに出資し業務提携を行い、国内ブランドとして初めて「マイロ」素材を使用した新モデルを共同開発した。「マイロ」は、菌糸体の微細な繊維で、柔らかな手触りと上質感のある風合いが特徴。加工によって柔軟性を持たせることができ、さまざまな製品に利用できる高い汎用性も備える。
菌糸体は、100%再生可能なエネルギーで稼働する、最先端の垂直農法施設で生育される。生育に必要なものは、水と空気とマルチング材(菌糸体の生育時に培地の表面を覆うもの)のみで、2週間足らずの短い周期で生育できるため、安定した供給が見込まれている。
ボルトスレッズは、2020年にステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)、アディダス(ADIDAS)、ルルレモン(LULULEMON)、ケリング(KERING)とパートナーシップを結んでいる。