プラダ グループ(PRADA GROUP以下、プラダ)はこのほど、2021年度版のCSRレポートを発表した。CSR部門ヘッドを務めるロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)は、「ESGの取り組みが社内外のステークホルダーにとってますます可視化され、グループのサステナビリティにとって重要なマイルストーンとなる年だった」と振り返った。
21年度は特にガバナンスを強化した。1月には、ESGの分野で実績を持つパメラ・カルペッパー(Pamela Culpepper)とアナ・マリア・ルガリ(Anna Maria Rugarli)を独立社外取締役に任命し、グループとしての戦略的なサステナビリティ・ガイドラインを策定した。今後はこの両者とベルテッリCSR部門ヘッドの指揮のもとESG委員会を設立する予定だ。
また、50年までにネットゼロを実現することを目指し、26年までに温室効果ガスの排出を29%、29年までに42%削減するという目標値を定めた。これは、気候変動に関する国際的イニシアチブによる「SBT(SCIENCE BASED TARGETS)」の認定を受けている。
グループ全体では、2件の環境目標連動債を発行し、サプライチェーンの管理および課題分析のための最新ツールの開発に取り組む。また、目標としていたナイロン素材の再生ナイロンへの置き換えも完了した。ベルテッリCSR部門ヘッドは、「21年を通して、社内の意識向上に取り組んだ。これにより、環境保護および気候危機など重要な項目に対して迅速に行動できた」とコメント。
22年は、スコープ1と2(スコープ1は自社の燃料の燃焼等による温室効果ガスの直接排出。スコープ2は自社が購入した電力・熱の使用による温室効果ガスの間接排出)でカーボンニュートラルに向けた取り組みを開始するほか、素材やパッケージの代替も進める。また、多様性、公平性、包括性に関する施策やユネスコと提携して実施している海洋汚染に関する教育プログラムにも引き続き取り組んでいくという。