資生堂は26日、最新のIoT技術を導入した新製造拠点、福岡久留米工場を報道陣向けに公開した。地上4階、9万7000平方メートルの広大な空間で、さまざまな役割のロボットが休みなく働き続ける。容器に化粧水や乳液を泡立たないよう注入したり、包装箱を傷つけないよう広げて箱詰めしたり。その働きは迅速かつ正確で、繊細だ。内覧会で公開された化粧品製造区画の一部をレポートする。
センサー搭載の製造釜で
品質状態をモニタリング
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最初に案内されたのは製造室。衛生面の観点から中に入ることはできないが、モニター越しに室内の様子に関する説明を受けた。この製造室にある乳液だけで5000リットル、製品にして約3万本分に相当する
大釜で「エリクシール(ELIXIR)」の乳液を作っている最中。化粧水や乳液、クリームなどの化粧品はこの「製造釜」と呼ばれる大釜で混ぜ合わせて作る。これまでは品質が一定に保たれているかを、逐一機械を止め、人間が検査室で調べなくてはならなかった。だが久留米工場では製造釜にセンサーを搭載し、700以上の項目で内容物の品質をリアルタイムで検査・管理できるようになった
モニターには製造釜の内容物の品質が時間の推移と共にグラフで示されている。2本の折れ線の中に収まっていれば、品質が保たれている状態となる
スピーディーかつ繊細な
ロボットたちの仕事ぶり
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製造された化粧品は、ここで箱詰めされて出荷される。さまざまなロボットが休みなく動いており、久留米工場の「スマートファクトリー」感を存分に味わうことができた。人員は従来工場と比較して2分の1から3分の1まで圧縮できるという
容器への充填から箱詰めまで、ほとんど人の手は介さない。化粧水や乳液、クリームなど、注入する化粧品によって異なるテクスチャーに合わせてコンピューター制御し、液が泡立たないように容器詰めする
ここでも進捗をモニタリング管理している
随所に久留米へのリスペクト
「地域に開かれた」「ピープルファースト」な工場へ
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久留米絣(がすり)を使用したブラインドや、城島瓦をふんだんに使った外壁など、特産素材を使った設えには久留米の地へのリスペクトも感じられる。工場で働く250人の多くが地元住民だ
久留米絣(がすり)を使用したブラインドや、城島瓦をふんだんに使った外壁など、特産素材を使った設えには久留米の地へのリスペクトも感じられる。工場で働く250人の多くが地元住民だ
2023年からは工場内に見学施設「BEAUTY PLANET」をオープンするなど、地域と共存共栄する「開かれた工場」を目指している
2023年からは工場内に見学施設「BEAUTY PLANET」をオープンするなど、地域と共存共栄する「開かれた工場」を目指している
2023年からは工場内に見学施設「BEAUTY PLANET」をオープンするなど、地域と共存共栄する「開かれた工場」を目指している