ファッション企業の2021年度業績が出そろった。コロナ2年目であり、最悪だった20年度に比べれば店舗の休業が緩和されたため、回復傾向にはある。ただ、優勝劣敗ははっきりしており、コロナ前を上回る数値を出す企業もあれば、足踏みする企業もある。専門店、アパレル、スポーツの領域で比較してみた。(この記事はWWDジャパン2022年5月30日号からの抜粋です)
専門店系企業 「低価格・カジュアル・郊外」の安定成長が続く
国内市場に関しては、2020年度に引き続き「低価格」「郊外」「カジュアル」を主戦場にする専門店が安定した成長を見せた。しまむら、西松屋チェーン、ワークマンはコロナ下の新常態を味方につけて業績を伸ばし続けている。
しまむらは売上高、利益ともに過去最高を更新した。「ファッションセンターしまむら」の既存店売上高は7.1%増。発注から納品までのリードタイムを短縮化し、売れ筋を逃さない供給体制を整備。話題性のあるプライベートブランド(PB)を中心にヒットを連発し、課題だった値引きの抑制につながったことが利益を底上げした。作業服のワークマンも18年に本格化したアウトドアウエアが売れ続けている。会計基準を変更をしているが、旧基準と単純比較すると売上高は約10%増だった。既存店売上高は1.5%増に鈍化したものの、期末店舗数は純増38の計944店舗に増やしている。手薄だった大都市で新しい顧客を獲得できたことが大きい。
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