松坂屋名古屋店は、北館5階時計・宝飾フロアの時計売り場の面積を2倍に拡大し、新フロア「ジェンタ ザ ウォッチ(GENTA THE WATCH)」として7月6日にオープンする。改装面積は1400平方メートルで、改装後の時計展開面積は約1200平方メートル。総投資額は12億円。
改装の目玉が、高級時計を中心としたショップ面積の大幅拡張。中でも「ロレックス(ROLEX)」のショップ面積は約3倍となる。面積を広げた分、ショップ数を維持しながら個々の売り場においてゆとりのある空間設計が可能になる。フロア中央に新設する「ウオッチテラス」では、修理の工程を見て楽しめる工房や買い物の合間に立ち寄ることを想定したレストスペースなども設け、来店客の体験価値を高める。新規導入は「アントワーヌ・プレジウソ(ANTOINE PREZIUSO)」「キングセイコー(KING SEIKO)」「フレデリック・コンスタント(FRÉDÉRIQUE CONSTANT)」など12ブランド・ショップ。
同店における22年2月期の高額品(時計宝飾、アート、特選カテゴリー)の売り上げは、コロナ前の20年同期を16%上回って推移しており、特に30〜40代への販売が好調という。新たにスタートする「ジェンタ ザ ウオッチ」のホームページでは、腕時計好きに向けたコンテンツを発信するとともに、ブランドショップごとの来店予約やオンライン試着サービスも用意し、若い世代や女性客とのさらなる接点拡大や利便性向上を目指す。
全面改装オープンは22年秋を予定。23年3月期は改装効果により、22年は同期比15%の増収を見込むとともに、中長期的には「全国の百貨店において日本一の時計売り場を目指す」(同社)としている。
なお名古屋地区では21年夏、ジェイアール名古屋タカシマヤが時計売り場を近接する「大名古屋ビルヂング」に移設・大幅増床し、面積1200平方メートルの売り場を構えた。松坂屋名古屋店の時計売り場も、今回のリニューアルで同等の規模にスケールアップすることになる。同地区における百貨店の高級時計のシェア争いは激しさを増していきそうだ。