毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年5月30日号からの抜粋です)
牧田:今年のサステナブルビューティ特集は“連携”や“連帯”がテーマ。サステナビリティ領域で手を組んだ花王とコーセーの担当者の対談を実施しましたが、昨年の8月にトップ同士が話し合って、10月に提携というスピード感で、素晴らしいと思う反面、環境問題の待ったナシ感も伝わってきました。
新関:私も環境フットプリントなどの話をサステナブル投資研究の第一人者、吉高まりさんから聞いて、危機感が強まりました。とにかく課題を特定して、一致団結して、スピーディーに取り組まなければいけないですね。
牧田:企業はすごく危機感を抱いているけれど、それがどれだけ生活者に届いているのか。私たちメディアの役割だけれど、そこがなかなか難しいと感じました。気負わずに生活者が地球に優しい選択ができるような提案をしたいよね。
新関:私たち、どうしても業界側になってしまいますよね。
牧田:確かに。サステナビリティ領域は業界を超えて提携できるので、取り組みが多角的になって視野が広がるというのは副次的だけれど、魅力的なメリットだなと思いました。
新関:ポーラが大分県と提携して、教育に力を入れているというのも、一番時間がかかるかもしれないけれど、効果的だなと思いました。やはり、生活に浸透していくことが大事ですよね。
牧田:三軒茶屋の商店街理事と「ビープル」を統括するマッシュビューティーラボの副社長にも取材したのですが、理事の1歳くらいのお孫さんが「ビープル」が好きで、そこで売っているオーガニックのジュースを毎回欲しがるそうなんです。そうすると、理事もオーガニックに興味を持つようになったり、商店街の人々がオーガニックの洗剤を使うというような行動変異が起こったりしたそうです。地域に密着して考えやライフスタイルを広めていくというのは、すごく良いなと思いました。
新関:「ビープル」は私も七里ヶ浜店を取材したことがありますが、サーファーの人が気軽に立ち寄れたり、観光客も地元の人も隔たりがない穏やかな雰囲気がすてきでした。そんな風に自然に人々の生活に浸透していくような活動も大事ですね。