「ビープル(BIOPLE)」三軒茶屋店は2020年10月、世田谷区の三軒茶屋栄通り商店街にオープンした。街に根付き、そこに暮らす人々に愛される店を目指す同店が、その実現のためにどのように地元商店街との連携を深めているのか? 川崎きよみ三軒茶屋商店街振興組合理事と同店を運営する椋林裕貴マッシュビューティーラボ副社長に聞いた。(この記事はWWDジャパン2022年5月30日号からの抜粋に加筆をしています)
WWDJAPAN(以下、WWD): 「ビープル」三軒茶屋店のオーブンが商店街に与えた影響は?
川崎きよみ三軒茶屋商店街振興組合理事(以下、川崎):一番は商店街のイメージがおしゃれで明るくなったこと。商店街のイメージ=街のイメージなので、それは街全体の印象につながる。昔は八百屋や魚屋が立ち並んでいたが、現在は飲食店や不動産屋などが中心となる中、商店街の入り口に位置する場所で「ビープル」のようなおしゃれな物販店ができたことは商店街全体に大きな影響があった。それに、全面ガラス張りで中が見えるため、どんな人たちがどんな物を売っているのかがひと目で分かる。ただおしゃれとか明るいだけではなく、興味を惹く店としていい刺激を与えている。
WWD:なぜ、この場所に出店しようと思った?
椋林裕貴マッシュビューティーラボ副社長(以下、椋林): ここは元々マッシュクループがアイスクリームを販売していた場所。コロナ禍で飲食店が厳しくなる中、社内で「『ビープル』を出店したい」と手を挙げ挑戦した。飲み物や食べ物があり、毎日立ち寄ってデイリーに使える店、ホッと一息つける場、ハピネスをシェアできる空間として街に根ざした店を作りたかった。商店街はそれをかなえる最も適した場所。ターミナルの大きな場所ではなく、リアルに暮らしている人が多い場所でコミュニケートできたら、お互い有意義じゃないかと思った。
WWD:当初思い描いた「街に根ざした店作り」は、もう実現できている?
椋林:スタッフのやり遂げたいことが100%だとしたら、まだ30%くらい。コロナ禍の中、この商店街の「阿波踊り、綱引き大会」などのお祭りやイベントも休止している。それに参加して、リアルなコミュニケーションが取れればと思う。この店は、物販だけでなく、オーガニックライフを学ぶ場やワークショップ、お茶会などもやりたいと思っている。その中でマッチングする商店街の人たちと連携することが、街に溶け込んだり、受け入れていただいたりするには重要だと思う。近隣住人との関係が希薄になっている時代だからこそ、リアルなコミュニケーションをとり、「あなたに会いに来たわ」と言われる関係性が築かれることを願っている。その関係性がスタッフの成長にもつながるだろう。
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