“世の中から捨てるという考えをなくす”を理念に、米国で2001年に創業したテラサイクルは、ペットボトルや化粧品容器など使用済み製品やパッケージなどの廃棄物を回収し、原料や製品とする再資源化事業を進める。日本においても14年のジャパン社設立以来、さまざまな業種と連携を強め、ごみ削減に向けた取り組みを行う。近年では行政を巻き込んだ事例も増え、循環型社会の実現に向けた輪が広がっている。(この記事はWWDジャパン2022年5月30日号からの抜粋です)
1 空き容器回収
化粧品各社と空き容器回収のプログラムが加速している。日本ロレアルは2021年2月に同社と包括的なパートナーシップ締結を発表し、化粧品空き容器の回収の取り組みを全事業部で推進する。21年6月には資生堂とコーセー、日本ロレアル、P&G、イオンがタッグを組み「グラムビューティーク リサイクル プログラム」を開始。イオンやイオンスタイルの店舗内に回収ボックスを設置し、メーカー問わず、全ブランド製品の使用済み容器を回収、リサイクルする。そのほかにも多くの化粧品ブランドや企業が空き容器回収を推進する。空き容器回収を含む化粧品企業とのプログラムは現在35あり、昨年4月から13プログラム増加した。
空き容器の回収量の数値は非公開だが、全体の回収量は右肩上がり。近年で印象深い取り組みはネイチャーズウェイとの水平リサイクルだという。「同社とは19年12月に契約を結んで以降、店舗や量販店で回収を行ってきた。その回収された容器キャップを使い、新たな製品のキャップをつくるという試みを行っている。今後はキャップ以外の部分にも使用済み容器を使う試みに挑戦したい」と冨田大介テラサイクルジャパン マーケティング&コミュニケーションズ ディレクターは語る。
ロクシタンは14年から提携し、19年1月には空き容器を店舗に持参するとポイントを付与するプログラムを開始。1年強で約15トンの空き容器を回収した。今年3月には回収した空き容器の一部をリサイクルし、再生PET素材で作ったエコバッグ(1650円)を販売した。他社でも空き容器をリサイクルしてスパチュラにしたり、アクセサリートレーや花瓶にして店舗で飾ったりする。
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