スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやを本明CEOに聞く連載。やっと入国規制が緩和され、海外渡航する人が増えつつある。本明さんも先日、フットロッカーとのミーティングのために、1年3カ月ぶりにニューヨーク(NY)を訪れた。思い返せばコロナ禍は海外にもろくに行けず、本連載でも定番だった本明さんによる海外リポート(ほぼ毎月!)がほとんどできなかった。というわけで、今回は、個人的にも待ちに待ったNYの話。(この記事はWWDジャパン2022年5月16日号からの抜粋です)
本明秀文CEO(以下、本明):NYはめちゃくちゃ活気があった。世界中から観光客が戻ってきているし、コロナなんて一切関係なく、スニーカーがすごく盛り上がっていたよ。
——以前のNYと比べて変化はありましたか?
本明:まず、ナイキショップにスニーカーが並んでおらず、アパレルばっかり。物流が狂っているせいで、入荷が不安定になっている。一方で、「ニューバランス(NEW BALANCE)」や「サロモン(SALOMON)」を履いている人が増えていたり、「オン(ON)」に入店の列ができていたり、人気のバロメーターは日本と似ていた。一番驚いたのは、聞いたことのないリセールショップが乱立していたことだね。ちょっと行かない間にずいぶんと様変わりしていた。アメリカに行ってまざまざと分かったけど、日本のリセール市場は今、世界一相場が安い。日本で買ってアメリカで売ると一番もうかるよ。モノによっても違うけど、例えば“エア ジョーダン 1“AIR JORDAN 1)”の“パテントブレッド”を日本で買うと約2万4000円。それがNYの店頭だと380ドル(約4万9400円)で売られている。
——そんなに⁉実際、店はにぎわっているんですか?
本明:どの店も店内に最低30人は客がいた。リセールショップの「ラウンド2」の向かいに「D1」という店ができていたんだけど、こっちの方が高く買い取ってくれると、買い取りの列ができていた。競争力が上がって条件も良くなっている。僕が「D1」に行ったときにフランス人家族がいて、サクッと5足を100万円で買って帰ったんだ。そんな客がたくさんいた。
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