「ザラ(ZARA)」の親会社のインディテックス(INDITEX)はこのほど、服から服のリサイクルを可能にするフィンランド発のスタートアップ企業インフィニテッド ファイバー(INFINITED FIBER)とのパートナーシップを発表した。インフィニテッド ファイバーが開発した、廃棄衣料を原料とする再生繊維「インフィナ(Infinna)」の生産量のうち30%を購入するという3年間の契約を結んだ。インディテックスは、この取引は1億ユーロ(約136億円)以上の価値があると述べた。
インフィニテッド ファイバーは、廃棄衣料や段ボール、稲や小麦のわらからコットンに近いセルロース繊維「インフィナ」を製造する技術を持つ。「ザラ」の公式ECサイトでは、「インフィナ」を用いた初のカプセルコレクションを販売中だ。アイテムは、ブレザー(税込以下、同1万5990円)、ミニスカート(5990円)、ミディワンピース(9990円)の3型。ZARAの衣料回収プログラムのパートナーであるスペインのNGO団体カリタス(Caritas)と共に調達した衣料を繊維の原料に活用した。インディテックスは、「インフィナ」を活用することで、「バージン素材の使用を減らし、循環型ファッションへの移行を進めることができる」と期待する。次のシーズンも「インフィナ」を使用したコレクションを販売予定だ。
インフィニテッド ファイバーは2億6500万ドル(約338億円)を投じ、フィンランドに同社初となる大規模な工場を建設する。2024年に操業開始の予定で、インディテックスによる投資は同工場の拡充にも使用されるという。なお、インディテックスの購買契約も操業開始と同時に発効される予定だ。
インディテックスは、オープンイノベーションのプラットフォーム「サステナビリティ イノベーション ハブ」の下、スタートアップ企業や学術機関、技術センターと連携して、アパレル製品の環境フットプリントを軽減する新しい素材や技術、プロセス開発に取り組む。インフィニテッド ファイバーとの契約もこの取り組みの一環。