欧米に拠点を置く「パンゲア(PANGAIA)」(本社:ニューヨーク州ニューヨーク)は日本時間の6月7日22時(現地時間7日9時)、スパイバー(Spiber)が開発・生産する構造タンパク質素材“ブリュード・プロテイン”繊維12%とオーガニックコットン88%を用いたプルオーバーを発売する。150着限定で日本を含めたグローバルに向けて公式オンラインストアで販売する。価格は395ドル(約5万1350円)。
パンゲアとスパイバーは同製品の発売を皮切りに長期的に取り組むことも発表した。このパートナーシップは「化石燃料や動物素材を代替し得るバイオ由来素材の開発や使用を目指す」という共通のミッションから生まれたという。
パンゲアは2018年創業。環境保全をミッションに掲げ、マテリアルサイエンスを重視する注目の新興企業で、アパレルの製造だけでなく、素材開発にも注力する。同社が開発したダウンやフェザーの代替素材で天然のワイルドフラワーから作られたセルロース系素材“FLWRDWN”を「H&M」が採用するなど、素材開発の側面でも注目を集めている。自らを「責任ある生産と消費への世界の移行を加速する使命を持つ人々のグローバル集団」と説明し、環境に配慮した個人や組織を結びつける環境革新とソリューションのためのグローバルなプラットフォームを構築。科学者、技術者、アーティスト、デザイナーなどが参画し、再生可能な代替資源やバイオ素材などを使い、日常に必要な製品を持続可能なワードローブを提供する。
パンゲアのアマンダ・パークス(Amanda Parkes)=チーフ・イノベーション・オフィサーは「スパイバーの“ブリュード・プロテイン”繊維は、従来の生地製法を打破し、炭素を排出して環境に負荷をかける素材からのシフトを実現させることができる。私たちは、今回の取り組みを通じ、スパイバーの困難なイノベーションを目指す徹底した姿勢に大変感銘を受けた。この画期的な素材を、より多くの人々が日常に取り入れられるステージがもうすぐそこまで来ている。このことを伝えることを心待ちにしていた」とコメントを発表した。
スパイバーの東憲児・執行役員事業開発、営業 & サステナビリティ部門長は、「『パンゲア』のチームは高度な技術力と深い科学的知見を有するだけでなく、『サステナブルな社会の実現に資するイノベーションに貢献する』という当社と通じるミッションを持っており、今回の共同開発プロジェクトを通して大変貴重な経験を得ることができた。2年以上の開発期間を経て、“ブリュード・プロテイン”繊維が使用された世界初のフーディがパンゲアから発売されることをとても光栄に思う」とコメントを発表した。