中国湖南省・長沙市にある「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のブティックで購入したバッグなどが模倣品だったとして、購入客が同ブランドを提訴した件について、裁判所は「ルイ・ヴィトン」に対して8万9400人民元(約169万円)の支払いを命じた。
訴えた購入客(以下、原告)は21年9月、高級ショッピングモールの長沙IFS(Changsha IFS)にある「ルイ・ヴィトン」のブティックで、“ヴォジラール(Vaugirard)”のハンドバッグとアクセサリーを2万2350人民元(約42万円)で購入したが、後日、第三者の鑑定で正規品ではないことが判明。裁判所は「ルイ・ヴィトン」に対して、購入にかかった費用の賠償に加え、懲罰的損害賠償として購入費用の3倍の金額にあたる6万7050人民元(約127万円)も支払うよう命じている。「ルイ・ヴィトン」は、この判決を不服として控訴したと地元メディアにコメントしている。また、裁判所の命令を尊重し、原告と和解したことを認めたが、これまでに自社の小売販売網を通じて模倣品を販売した事実はないと主張し、模倣品と鑑定されたバッグを「ルイ・ヴィトン」が販売したことについても否定している。
判決によると、「ルイ・ヴィトン」は原告が模倣品専門の恐喝のプロだという証拠を提出しなかったが、原告は購入時のレシートや支払記録を提出したという。専門家は地元紙に対して、「ルイ・ヴィトン」は正規品を消費者に渡したことを証明する義務があり、監視カメラの映像などを提出することで正規品を渡したことは証明できたと説明し、ブランドがこれらの証拠を提出できなければ裁判に負けるリスクを負うことになると述べた。
この裁判の話題は、中国のソーシャルメディア上でトレンド入りし、多くの認証センターで問い合わせが急増したことが報告されている。また、原告がバッグをすり替えたのではないかという意見や、内部の犯行を疑う声も上がっている。