撮影や取材を行う時に出演者やスタッフにお弁当として提供される“ロケ弁“。その日のモチベーションをさらに高めてくれて、ハードな現場でもおいしくエネルギー補給ができる賜物だ。ここ数年のテイクアウト需要の高まりで、お弁当を購入する機会が増えた人も多いはず。
本連載では、人気のロケ弁を誰でも手軽にオーダーできる店を紹介する。2回目は、日本の伝統的食文化の一つ、おむすびの話題店が登場。老若男女、どの世代にも愛されるおむすびは、今もさまざまなバリエーションに進化し続けている。今回はお米や食材にこだわるだけでなく、おむすびの魅力も発信するお店をピックアップ!人気の秘密を探る。
【米屋のおむすび 飯塚精米店】45年変わらないこだわり
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上から時計回りに、せいろで炊き上げる“赤飯”と破格の“すじこ”、定番人気の“明太子”(全て税込150円)。毎日通うという年配女性におすすめを聞くと「全部、おいしいから選べない(笑)」とのこと。どれもこだわり抜かれた逸品のため、その答えにも納得 PHOTO:SHUHEI SHINE
上から時計回りに、“高菜”(税込130円)と“からあげ”(同150円)“さけ入り玄米”(同150円)。“さけ入り玄米”の玄米は濾したプレーンヨーグルトと一緒に炊くことで、しっとりと仕上げている PHOTO:SHUHEI SHINE
冷めてもおいしいおむすびの秘訣は握り方にもある。45年前から変わらず、おむすび作りは専用の型を使用。型取りした後、長年の力加減でやさしく握ることで、中はふっくらと、米本来の特性と口当たりを生かしている PHOTO:SHUHEI SHINE
おむすびのアクセントになる海苔も時間が経ってもおいしく、ご飯になじむ千葉県産を厳選。おかずとの相性や見た目も考えて、全体に包んだり、縦や横に巻いたり、縁取ったりと、彩り方もいろいろだ PHOTO:SHUHEI SHINE
「農林水産大臣賞」を受賞した2代目店主の飯塚豊司さん(写真左)と「東京米(マイ)スター匠」の資格を持つ3代目飯塚隆夫さん(左から3番目)の2世代の家族経営。おむすびの味と同じく、店も心落ち着く雰囲気だ PHOTO:SHUHEI SHINE
昭和27年に創業した「飯塚精米店」がおむすびを始めて45年。朝早くから学生やサラリーマン、子ども連れのママたちがひっきりなしに立ち寄り、おむすびを選んで次々と買っていく。おいしいお米、ご飯の食べ方を熟知する親子店主の家族で作るのは、小ぶりで素朴なおむすび。ロケ食として、大御所のスタイリストやカメラマンにも人気だ。新潟県産の無農薬米と、独自でブレンドしたお米の2種を使用し、常時25種類ほどのおかずが並ぶ。
住所:東京都目黒区碑文谷6-1-5
電話:03-3712-7281
時間:7:00〜19:00(なくなり次第終了)
定休日:日曜日・祝日
【学大おむすび マルムス】デコラティブな新感覚おむすび
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“鹿児島産 刻みうなぎと山椒のひつまぶしむすび”(税込594円)は、うなぎの取り寄せ先に「おむすびに使うと伝えたら怒られた」というほど贅沢な一品。ワンハンドで食べられるから、手軽に精をつけたいこれからのシーズンにおすすめだ PHOTO:SHUHEI SHINE
人気の“玄米 大葉香る 佃煮昆布むすび”(税込292円)は、あえて大きな大葉をそのままトッピングし、さわやかな味わいに仕上げている。玄米のぷちぷちとした食感とのマッチングが、いつの間にかクセになる PHOTO:SHUHEI SHINE
6月からの季節の混ぜむすびは、昨年好評だった枝豆おむすびをアップデートした“枝豆じゃこチーズ”(税込み350円)。枝豆を多めにし、人気の“梅じゃこ”ご飯に変えた。さっぱりとしたチーズと梅の酸味が相性抜群 PHOTO:SHUHEI SHINE
6月からの限定おむすびは、「ピクニック」と協業した“美味しさ満天むすび”(税込500円)。海老の天ぷらを大胆にのせて見栄え満点!さっぱりとした甘だれ味のご飯には大葉を混ぜている PHOTO:SHUHEI SHINE
ブランドコンセプトから店舗デザインまで手掛けるのは、オーナーでデザイン会社、リーフデザインパークの上野卓史代表。飲食店運営は初めて。店舗の内装もメディアで取り上げられるほど注目を集めている PHOTO:SHUHEI SHINE
「学大おむすび マルムス」の店名の由来は、“丸いおむすび”の形から。学芸大学駅高架下に構え、ご近所さんから一見さんまで幅広い客が訪れる。丁寧に接客してくれるスタッフの笑顔にもほっこり PHOTO:SHUHEI SHINE
2021年にオープンした「学大おむすび マルムス」は、「スノーピーク(SNOW PEAK)」の店舗や本社の空間デザインを手掛けてきたデザイナーが運営する話題の専門店。“シンプルで飾り気ない”といった従来の概念を覆す新感覚のおむすびは、デザイン性にもこだわる。具材が引き立つようにあえて丸くして品のあるサイズにし、見た目も楽しく、食べてもおいしい、人にあげたくなるようなおむすびが手土産にも喜ばれている。メニューは、ケータリング「ピクニック(PICNIC)」の伊藤維フードディレクターが監修。
住所:東京都目黒区鷹番3-3-2学大市場A-5区画
電話:090-6480-0332
時間:平日9:30〜17:00、土日祝10:00〜17:00(なくなり次第終了)
定休日:不定休
【しまむすび】地元に愛される、アットホームな味
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朝限定の日替わり“おにぎりボックス”は、おむすび2種類とたっぷりのおかずが入ってなんと650円(税込)!写真のおむすびは雑穀米の“昆布&沢庵”と白米の“スパム&卵”。おかずにはカレーポテトと切り干し梅、塩唐揚げを添えている PHOTO:SHUHEI SHINE
定番人気の“焼きサバののっけ弁”(税込700円)。ロケ弁用(写真、同1000円)も注文が多く、お肉や野菜などのおかずもふんだんにのせたボリューム&栄養満点の一品 PHOTO:SHUHEI SHINE
店では毎日おむすび4種類(白米が税込200円、雑穀米が同250円)、日替わりなどの弁当10種類が並ぶ。14時までで個人オーダーの取り置きも可能。毎日のメニューはインスタグラムでチェックを PHOTO:SHUHEI SHINE
おむすびと弁当を販売する「しましまカフェ」。昼と夜のカフェは休業中で、「しまむすび」として物販のみを用意する。高井戸駅から徒歩2分で、通勤・通学途中の利用も便利 PHOTO:SHUHEI SHINE
「しまむすび」の前身は、バー「ソラ」の間借りとして始めたおむすび専門店。今も当時の立ち上げメンバーが腕を振るい、自慢の味を提供している。そのチームワークの良さも「しまむすび」の人気につながっているのだろう PHOTO:SHUHEI SHINE
おむすび専門店としてスタートした「しまむすび」は、沖縄のソウルフードからアイデアを得た、“握らないボリュームおむすび”が主役。お米は、おむすびに合うもちもちでやわらかいミルキークイーンを使用し、無農薬野菜などシーズンに合った食材を日替わりで作っている。ドラマや雑誌の撮影現場でも人気だ。ほかにも店にはサラリーマンや子連れママの常連が多く、地域の保育園などの遠足でもオーダーがあるほど地元住民に愛されている。
住所:杉並区高井戸2-29-23 永谷マンション106
電話:03-6795-5611
時間:8:00~14:00(なくなり次第終了)
定休日:日曜