大きなバストのためのランジェリーを展開する5つのブランドが6月4日と5日、合同で試着会「ジービーエル ポップアップ(GBL POP UP)」を東京・中央区の「オーバーイー(OVERE)」ショールームで開催した。通常、ECでしか購入することのできないブラジャーを、ブランドの垣根を超えて試着できる機会とあって、SNSで開催を知った多くのユーザーが来場。ブラジャー探しに悩む女性達の需要に応えると同時に、バストが大きいがゆえの様々な悩みを共有する機会となった。
この試着会は「マドレア(M’DREA)」と「ボムキュ(BOMQUE)」が発起人となり、SNSを通じてつながった「ポパイ(POP81)」「シークレットミー(SECRETME.)」「オーバーイー」に声を掛けて開催。“GBL”とは“グラマーバストランジェリー”の略。「マドレア」は大きなバストに悩む女性が集うオープンチャット“グラマーバストランジェリーコミュニティー”を運営しており、それがこの試着会の起点になった。
参加した5ブランドはいずれもD2Cブランドで、創業して間もないスタートアップ企業が中心。それらのブランドが扱うD〜Mカップのブラジャーが並んだ。本来なら競合であるブランド同士が連携して協力し合い認知アップを図ることで、自分に合うグラマーサイズのブラジャーを探すユーザーの需要に応えた。一部の商品は購入できるものの、販売というよりは、試着を目的にした。風神まどかマドレア代表は、「気軽に足を運んでもらうのが目的。買わされるのではないかというプレッシャーをなくしたかった」と話す。
誰に話しても悩みを共有できる安心感
大きいカップサイズのブラジャーは、サイズの需要が少なくブラジャー自体の設計や使用する資材も異なることから、店頭でもGカップ以上の商品は極端に少ない。Iカップ以上はほとんど販売されてないのが現状だ。B・Cカップなどに比べると選択肢が圧倒的に少なくなり、売り場にはたくさんのブラジャーが並んでいるが、自分に合うサイズがななく、バストの悩みの相談もできない。バストが大きいことで、自分自身を否定されたような気持ちになる場合もあるようだ。風神代表は、「ブラジャーやバストだけでなく、心の悩みも相談でき、心を解放できる空間を提供したかった」と言う。「接客スタッフ全員がグラマーサイズであることで、悩みを共有できる安心感があったと思う。それまで合わないブラを着けるしかなかったお客さまからは、自分のバストに合ったブラジャーが見つかり、『やっとからだの悩みから解放された』という声も聞かれた」と言う声もあった。
ブランドの垣根を超えて悩みを解決
安心できる空間も、参加した5つのブランドが同じ志を持っていたからこそ生まれた。ボムキュ鈴木幸子代表が、「全員に盛り上げようという気持ちがあり、自社以外の商品を試着してその感想をもとにブランドをSNSで発信したり、リツィートしたり、その思いが行動にまで及んでいた」と語るように、ブランド間の連携プレーが見られた。「今回参加したのは、自身が大きいバストに悩み、それを解決したいと起業したブランド。自分が悩んでいたからこそ、お客さまの悩みをみんなで解決する、というムードに包まれていた」と風神代表。会場にはランジェリー以外に「オーバーイー」の服も並べられており、ブラジャーを試着して後に服を着用して、シルエットが美しくなるかを確認できたことも好評だった。
7月15〜17日に2回目を開催、秋には大阪でも
今回は、新型コロナ感染拡大防止のため完全予約制で来場者数も限られたが、今後はより多くの来場者を迎える環境を整える。7月15〜17日に東京都内で2回目の開催が決定しており、秋には大阪でも開催予定だ。将来的には地方でのイベントをはじめ、参加ブランドを増やすことも視野に入れている。この試着会で選択肢への出会いや悩みを共有することにより、来場者が自信を得る場になっていた。