オーストリアを拠点とするクリスタルメーカーのスワロフスキー(SWAROVSKI)は、最高経営責任者にアレクシス・ナサード(Alexis Nasard)を任命した。7月4日付で就任の予定。同社は127年の歴史を持つが、創業家外からトップが選ばれるのは今回が初となる。
同社は1895年にダニエル・スワロフスキー(Daniel Swarovski)が創業。これまで一族経営が続き、2020年4月から21年10月末まで同社を率いていたロバート・ブッフバウアー(Robert Buchbauer)前CEOも一族の出身だ。しかし同社はここ数年、新たな成長戦略に沿った事業再編に取り組んでおり、オーナーと会社の経営を切り分けることもその中に含まれているという。なお、ブッフバウアー前CEOは退任後も取締役会の一員として同社に残っている。
ナサード新CEOはファッション業界のほか、日用消費財や小売セクターでの経験が豊富で、ビジネス特化型SNS「リンクトイン(LinkedIn)」のプロフィールによれば、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE)で17年、ハイネケン(HEINEKEN)で6年、チェコのシューズおよびアパレルメーカーのバタ(BATA)で5年にわたって要職を歴任。20年12月には、マーケティング企業カンター(KANTER)のCEOに就任した。
同氏は、「『スワロフスキー』はカルチャー上のアイコン的な存在であり、ジュエリー、デザイン、ファッション、演劇、映画業界などで独自のポジションを築いている。ジョバンナ・バッタリア・エンゲルバート(Giovanna Battaglia Engelbert)=クリエイティブ・ディレクターやチームと共に成長戦略を進めてブランド価値をさらに高め、世界中の顧客に喜んでもらえるようにしたい」と語った。