ミラノ・ファッション・ウイーク(以下、ミラノコレ)に参加する老舗ブランドで、デザイナー交代が続いている。その背景にあるのは、同族経営が長く続いていたブランドの売却や経営陣交代に伴う再編、そしてブランドを次の時代へとつないでいくための若返り。すでにクリエイティブ・ディレクターとしての経験がある人材ではなく、自身のブランドで独自のコミュニティーを築いている若手や、これまでラグジュアリーメゾンの中で実力を培ってきたデザイナーが起用されているのが特徴だ。まだあまり多くは知られていないが、これからの活躍に期待がかかる4人の経歴と得意とするスタイルを紹介する。
Marco De Vincenzo/ETRO
2021年7月にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)系の投資会社、Lキャタルトン(L CATTERTON)に株式の60%を売却した「エトロ(ETRO)」は、同年12月にファブリッツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)最高経営責任者(CEO)を迎えた。そしてクリエイションのトップも交代し、22年6月1日付でマルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)がクリエイティブ・ディレクターに就任。これまでウィメンズ、メンズ、ホームをそれぞれ手掛けてきたエトロ家のヴェロニカ(Veronica Etro)、キーン(Kean Etro)、ヤコポ(Jacopo Etro)に代わり、3ラインすべてのコレクションを監修する。初めて手掛けるコレクションは23年春夏ウィメンズとなり、9月のミラノコレでお披露目する予定だ。
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