1枚でキマるマキシ丈ワンピースは、夏の切り札的アイテムです。ボヘミアンやリゾートのムードをまとえるので、開放的な夏にぴったりです。ただ、単調な着こなしになりがちなので、上手に着こなすにはTシャツやパンツなどの“相棒アイテム”のアレンジが鍵に。レイヤードなどを生かせば、着回しのバリエーションも格段に広がります。
2022-23年秋冬東京コレクションのショー会場では、ヴィンテージライクなパッチワーク風ワンピースの巧みな着こなしを発見。ジャケットをさらりと羽織り、厚底シューズでボリュームアップした、きちんと感とスポーツテイストを盛り込んだスタイリングです。今回は、マキシ丈ワンピースを上手にムードチェンジしたお手本コーディネートを、5月に開催された野外フェスティバル「グリーンルーム’22」からセレクト。役立つ応用プランをご案内します。
Tシャツとのレイヤードで素肌の見え加減を調節
マキシ丈のキャミソールワンピースはデコルテや両肩の露出が気になりがちですが、Tシャツを重ねれば肌の見え具合をセーブできます。また、Tシャツの色や柄次第で別の表情を添えられる、アレンジしやすいスタイリングです。
1枚目の写真は、ゼブラ柄風のモチーフがプリントされたキャミワンピースが適度にワイルドな雰囲気を漂わせています。中に着た黒Tシャツと、「プラダ(PRADA)」の黒ポシェットが全体をスタイリッシュに引き締め、ベレー帽とラウンド型のサングラスがアーティスティックな雰囲気も添えています。
肩は出しつつ、トップスにもう1枚加えたい場合は、ノースリーブのTシャツがおすすめ。少しだけレイヤードが加わり、いいとこ取りの装いに仕上がります。
2枚目の写真は、エスニックな総柄スリップワンピースに、ノースリーブTシャツを合わせました。Tシャツがワンピースの胸元と背中からちらりとのぞく程度なら、全体の印象を邪魔しないので、まとまって見えます。バケットハットとサンダルで抜け感も添えました。
スニーカーで別ムードを投入
マキシ丈のワンピースは面積が広いだけに、印象も強めに出がち。ムードを変えたいなら、バランスを崩すスタイリングを意識して。おすすめはスニーカーです。適度にムードをはずせます。
黒のマキシ丈ワンピースは夏には重く見える場合もあるので、軽やかなアイテムをミックスしたコーディネートが得策です。天然素材の帽子は夏らしさを連れてきます。足元は、ぽてっとしたスニーカーで軽快に。サンダルを選ばないことが、リゾートに寄りすぎない、はずしのテクニックです。
愛らしいマキシ丈ワンピースも、甘くなりすぎないさじ加減が肝心。ゴツめのスニーカーを履けば、足元にタフさを呼び込めます。
2枚目の写真は、パフスリーブがラブリーな主役級ワンピース。ボリューミーなスニーカーが、ロマンチックなムードを適度にクールダウンしています。さらに、大人っぽいこなれ感に導いているのが、ベースボールキャップの投入。ストリートテイストの帽子と靴でワンピースをサンドイッチする、技ありのミックスコーデです。
ワンピースの裾からのぞくパンツで縦長を強調
もともと縦に長いマキシ丈ワンピースですが、ほっそりしたイメージを増幅するには、パンツとの組み合わせが役に立ちます。ワンピースの裾からパンツが少しだけのぞくレイヤードです。
カフタン風のゆったりしたワンピースは風通しがいいので、暑い時期に重宝したいアイテム。ストライプ柄は、いっそう縦落ち感を強めてくれます。裾からチラリと見えるのは、リネン系のパンツ。両サイドのスリットからパンツをのぞかせて、レッグラインを適度に主張しています。ターバンがエスニックなムードを一層濃くしています。
全身をくるむようなボリュームシルエットのワンピースも、パンツをレイヤードして縦長のイメージを調節することですっきり仕上げることができます。
2枚目の写真は、ボリュームがたっぷりのピンクのサック風ワンピースがチャーミング。バサッと着られるこのタイプは、着心地が楽なうえに動きやすいので、子育て世代にも人気です。裾が切りっぱなしのデニムパンツを合わせて、こなれた足元を演出。動きやすさと縦長効果を兼ね備えた頼もしいコーデです。
マキシ丈ワンピースは1枚で着ると、リゾート感やボヘミアンなムードをまとえますが、今回のように合わせるアイテム次第で異なる表情を印象づけられます。ジャケットでシックに大人っぽくまとめたり、スニーカーではずしたり、Tシャツやパンツを重ねたりと、合わせるピースごとに雰囲気をスイッチできます。一点追加した“プラスワン”のスタイリングを生かして、この夏は型にはまらないミックスコーデを試してみませんか。