スキンケア化粧品の開発とOEM製造を行うサティス製薬は「日本全国の素材を用いて技術で価値革新する」ことにこだわり、日本の天然物から高性能な化粧品の開発・製造を行っている。そして高性能な化粧品をユーザーへ提供し続けるためには、国内の価値ある天然素材やその生産地、生産技術を守ることは必須事項と考えている。そこで同社は、日本の天然素材をスキンケア原料化し、天然素材と技術の継承や地域活性化への貢献を目指すプロジェクト「ふるさと元気プロジェクト(以下、FGP)」を2009年にスタートさせた。
「FGP」では、プロジェクトに賛同した化粧品メーカーが製品をPRすることで、消費者が化粧品はもちろんその先の生産者や地域に関心を持つという循環を想定。未利用資源を化粧品原料の素材として選定するほか、素材から成分を抽出する工程でも廃棄物が増えない手法をとるなど環境負荷を軽減する工夫も行っている。これまで未利用資源を中心に90種以上の原料化に成功した。
さらに、今年の1月に「FGP」の一環として、日本の天然素材を活用したスキンケア商品の購入で生産地を応援できるキュレーションサイト「つなぐキレイマルシェ」をクラウドファンディング「キャンプファイヤー(CAMPFIRE)」内にオープン。サイト内で集まった支援金は天然素材や生産技術の継承、生産地の活性化に活用される。
第1弾プロジェクトでは、コロナ禍で食品としての利用が減少している福岡県朝倉市の特産農産物「紅タデ」に着目した。紅タデに含まれるポリフェノールの一種「フラボノイド硫酸」がメラニンの生成を抑えて肌を明るくする効果が期待できることから、ライフスタイルブランド「アス・バイ・パパウォッシュ(USS BY PAPAWASH)」のスキンケア“USS ボトルエッセンス”に美容成分として配合されている。同プロジェクトでは支援金が目標の130%を達成し、紅タデの種子購入費として生産者に寄付された。
生産者を直接支援できる点や素材の魅力を広めるきっかけ作りとしてプロジェクトが好評だったことから、6月24日から第2弾となるプロジェクトを開始。今回着目した素材は、北海道むかわ町穂別産の「シーベリー」だ。サティス製薬の郡司幸恵研究員は、「むかわ町穂別にある『フォレストベリー農園』は、国内におけるシーベリー栽培のパイオニア。当社では健康にも美容にも良い素材の供給を維持するために、同農園と協同で国産のシーベリーを守っていきたいと考えている。また、シーベリーの魅力を多くの人に知っていただくことでニーズが増え、生産活動を継続・拡大できれば産地の雇用創出や経済効果が生まれるなど良い循環が生まれることを期待したい」と先を見据える。また、同農園の生産者は「町民と手を携えながら共に守り育ててきた町。シーベリーの小さな実にふるさとの未来を託したい」とプロジェクトに期待を寄せる。なお、返礼品はシーベリーから抽出したエキスを配合した美容液となる。
「つなぐキレイマルシェ」は、「さまざまな課題を抱える生産者」と「活動に賛同する化粧品メーカー」、そして「普段の買い物を通じてふるさとや地球の未来に貢献したいユーザー」をつないでいる。7月には愛媛県大三島産の「ミカン/レモン」を主役にした第3弾のプロジェクトも計画中。今後もさまざまな素材や生産地にスポットライトを当てたプロジェクトを立ち上げ、日本のふるさとや素材、技術を守る活動を続けていく。
サティス製薬
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