6月13日発売の「WWDJAPAN」では、ファッション&ビューティ業界で活躍している女性たち25人の協力のもと、業界の女性活躍の達成度や女性のエンパワメントに注力していると思うブランドや企業、ロールモデルなどを聞いた。
声を集めた結果見えてきたのは、ファッション&ビューティの大企業の経営層となると全く平等ではないし、完全とはもちろん言えないけれど、多様な人が、その人が追い求める幸せを実現させてきた業界の姿だった。社内外に女性やマイノリティーが多く関わる業界だからこそ生まれる知見や経験を生かして、ジェンダー平 等・活躍において他業界をリードしていける存在になれるはずだという願いを込めて、アンケートの回答を前編・中編・後編で公開。ここでは、ビューティ業界で活躍する9人の回答を紹介する。
Q1 あなたの働く業界・企業の女性活躍達成度は?
Q2 自社以外で、女性のエンパワメントに注力していると思うファッションやビューティの企業、ブランドは?
Q3 あなたにとって女性活躍のロールモデルは?
楠田倫子/日本ロレアル ヴァイスプレジデント コーポレート・アフェアズ&エンゲージメント本部 本部長
1.80%
後述に関して既に実現、推進をしているため、80点という自己評価をつけた。女性管理職比52%とオフィススタッフのジェンダー比と同割合のジェンダーパリティを実現。役員における女性占有割合約40%。女性社員の育休復帰率100%。ジェンダーや人種、国籍などを問わない平等な雇用・昇進・人材育成。外部のコミュニティーに向けた女性エンパワメント活動の推進(シングルマザー、女性研究者への支援)。100%に20%達していない理由は、主に2つある。一つ目は、女性役員の登用率は既に高いレベルにあるものの、ジェンダーパリティまで引き上げる目標は達成していないからだ。二つ目は、真の意味での女性活躍推進とはジェンダー平等であると考えているため。当社にとって美とは女性の力を引き出すものであり、多様・平等で包摂的なもの。人はジェンダーを問わず平等であるというのは、当社に強い倫理観に基づく信念であり、女性が活躍できる環境というのはジェンダーに縛られず、人それぞれが尊重され、望む選択を自由にできる社会であると言える。そのため今後は、男性の育児休業・休暇の取得を推進や、DE&Iコミッティーの活動推進など、男性やLGBTQIA+コミュニティーのエンパワメントにも取り組んでいく。その点においては現状、まだ課題がある。またDE&Iは常に進化をし続けなければならない、終わりのない課題であると考えている。
2.ビューティ企業全般
ジェンダーを問わず、美は全ての人にとって力を与えるものではあるが、歴史的には美は女性とともにあったと言える。そのため美に関する活動を展開している企業の多くは、当社も含み、女性の力を引き出す活動に熱心に取り組んでいるように思う。
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