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官民ファンドのクールジャパン機構が見直し検討 スパイバーや寧波阪急に出資

 財務省は20日、官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)について、抜本的な見直しを検討する方針を発表した。2021年度末の累積損失が309億円と、計画の257億円を上回っていることが問題になっている。クールジャパン機構は13年に、イッセイミヤケ社長や松屋常務執行役員などを務めた太田伸之氏を社長に招聘してスタート(太田氏は18年に退任)。これまでの最大の投資額はスパイバーの140億円、次いで寧波阪急への110億円となっている。財務省が公表した報告書の中では、「今秋までに組織のあり方を含めた抜本的な見直しなどを含めた対応策を実施する予定」としている。

 ソフトコンテンツ産業の育成・海外輸出を掲げるクールジャパン機構はこれまでファッションとビューティ分野でも多くの投資を実行してきた。スパイバーや寧波阪急などのほかには、シタテル(19年7月、出資額:10億円)、NY発D2Cブランドのエムエムラフルール(M.M.LAFLEUR、20年9月、25億円)、フォーティファイブアールピーエムスタジオ(45R、17年3月、8億円)、マレーシアで三越伊勢丹ホールディングスとで共同運営していたICJデパートメントストア(14年9月、10.7億円、18年7月に三越伊勢丹側に譲渡)、「パーバーズ(PERVERZE)」や「スドーク(SODUK)」などのファッションブランドを運営するIMCF(21年4月、13億円)、バルクオム(21年、5億円)など。

 なお、スパイバーに関しては当初30億円の投資だったが、「政策性・収益性の面で意義ある投資」と判断し、カーライルと共同で21年9月に110億円の追加出資を決めていた。

 クールジャパン機構はリスクマネーの供給により長期的な視野での投資を掲げており、もともと28年度を投資の終期とし、29年度以降に累損を一掃し、投資の回収期に入る予定だった。

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