毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年6月20日号からの抜粋です)
村上:最近「何が売れているか」のタイムリーな取材をできていなかったので、今一度「しっかりやります」というステートメントも込めて特集にしようと思った。「シーイン(SHEIN)」や「ユニクロ(UNIQLO)」をはじめ、ジュエリーでは自家需要にいち早くかじを切った「アガット(AGATE)」や「ノジェス(NOJESS)」など、特に今気になっているところを取り上げることが、商機のヒントになればいいなと思った。取材してみてどうだった?
本橋:僕にとっていい機会でした。売れているアイテムには、ブランドのデザイン性や強み、顧客のニーズが凝縮されているので、そこを掘り下げていくことで、ブランドへの理解がすごく深まりました。ランクインしたものは商品自体の魅力と発信の両輪で、売れるベくして売れているんだなと感じました。
村上:本当にそう思うし、まさに狙い通り(笑)。僕は「ディーゼル(DIESEL)」のジュエリーの売れ筋を取材したけれど、メンズがすごく好調だそうで、3位がフープピアスだった。「ミキモト(MIKIMOTO)」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」のコラボでパール男子が多く見られるようになったり、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」でメンズピアスを作ったり、点では把握していたけれど、こういう取材をすることによってボリュームゾーンにも広がってきている一端を見ることができた。点から線につながる感覚が得られるね。
本橋:はい。普段、自分の担当分野ではないさまざまなブランドの売れ筋情報を眺めていると、業界の潮流がなんとなくつかめてきますね。消費者がどういうものに興味をひかれ、手に取っているのかますます興味がわいてきました。
村上:定期的に取材していきたいね。今、展示会を多く回っていて、「紺ブレが売れている」とか、「ツイードのノーカラージャケットを推していく」とか、トレンドとして提案したものが間違っていなかったなと思う。それが売り場に出て、どう受け入れられていくのか。グルグルと回っていく感じを積み上げていきたいと思った。
本橋:僕は次は幅広いブランドがそろう古着店の売れ筋を取材したいです。どんなものが人気か知りたいです。
村上:いいね。僕は次は絶対「マルニ マーケット(MARNI MARKET)」の売れ筋を取材する!