ワークスタジオは、6月7日〜12日にイタリア・ミラノで開催されたミラノデザインウィーク2022に出展し、循環型繊維リサイクルボード「パネコ(PANECO)」と新素材を使ったハンガーを発表した。
「パネコ」は廃棄された衣類繊維をアップサイクルした循環型繊維リサイクルボード。国内では3月にオープンした「H&M」池袋店や、新宿伊勢丹本店など約50案件に導入されている。ミラノデザインウィークでは同素材を使用したパネルやインスタレーションを発表した。
新素材は「パネコ」の開発で培った研究を応用し、100%廃棄衣類繊維由来の原料を使用。射出成形と呼ばれる、プラスチックなどの成形時に使われる手法で生産可能なハンガーなどの製品に活用できる。この新素材により「『パネコ』に期待される脱廃棄社会への貢献に加え、脱プラスチック社会への貢献を目指す」と同社。出展の主目的は、ヨーロッパでの現地生産・販売の協業先の開拓で、今回の出展で「その礎ができた」という。
同ウィークへの出展を決めた理由について原和広ワークスタジオ社長は「パネコの源流はファッションの世界にある。ファッションとして大切に作られたものがやがて廃棄衣料となり、その繊維がパネコになり、そして家具やインテリアとして新しい価値とともに再び人々のもとに戻る。つまり私にとってパネコを開発することはファッションを再生することであり、その結果を家具という目に見える形で体現したもの。だから、ファッションの聖地ミラノで開催されるミラノ デザインウィークに出展することに大きな意義を感じた。パネコを用いた私たちの作品を見るとき、家具としての魅力はもちろん、源流がファッションであることを感じて欲しと思った」と話している。