カラーパンツに続き、全体にモチーフをあしらった柄パンツの人気も浮上してきました。花柄や迷彩、チェック柄など、モチーフごとに異なるイメージをまとうことができ、装いにパワーや華やかさも加わるので、薄着で見た目がさびしくなりがちなサマールックにうってつけです。今回は、トップブランドの2022年春夏ルックから、柄パンツのお手本コーディネートをピックアップしました。
「セリーヌ(CELINE)」のリラクシングなパンツルックは、迷彩柄のカーゴ風パンツでジェンダーレスなたたずまい。クロップド丈のトップスに、ラメやゴールドボタンがリッチなノーカラージャケットを重ねて、エレガントなムードをプラス。足元はレディーライクなサンダルでテイストミックスに仕上げています。
柄デニムで意外性をプラス
アクティブなムードが今季流
デニムパンツは無地のイメージが強いですが、近年は柄タイプも増えてきています。特有のモチーフを生かした柄デニムは、意外性もまとえる新顔アイテムです。
「エトロ(ETRO)」のパンツは、ホワイトデニムに赤い花柄が鮮やか。カジュアルなイメージの強いデニムパンツをフェミニンにまとう新しい演出です。オリエンタルな柄やタトゥーを思わせる大胆な花柄は、1970年代のフラワーチルドレンに通じるモチーフ使い。ハイライズでたっぷりした裾のシルエットは、モダンヒッピーの雰囲気を帯びています。アメリカンスリーブのタンクトップでアクティブなムードも印象づけるのが、今の気分です。
マルチカラーのモチーフは
柄のサイズでめりはりをアピール
あでやかなモチーフをまとう場合、セットアップを選ぶと、柄パンツの魅力が引き立ちます。マルチカラーのモチーフなら、ゴージャスかつドレッシーに着こなすのが、パンツルックを格上げできる鍵です。
写真は、多色使いを得意とする「ミッソーニ(MISSONI)」ならではの華やかさが目を引く装い。シャツには小ぶり、パンツには大ぶりの花柄を散らして、上下でムードを変えています。サイズ違いの花柄が、上半身をコンパクトに見せる効果も発揮。全身が花に包まれた、多幸感が匂い立つスタイリングです。
スカートライクな超ワイドパンツは
ビッグモチーフでドレッシーに
パンツはシルエット次第でスカートのようにもまとえますが、ゆったりしたハーレムパンツなどは、この着こなしのキーピースです。中でもビッグモチーフとの組み合わせは、ドレッシーな印象を呼び込めます。
一見スカートのようにも見えるパンツスタイルを披露したのは、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」。生地をたっぷり使って仕立てられたワイドパンツは、エレガントなムードを帯びています。アートを思わせるモチーフがダイナミックに躍り、優美な印象。涼しげなサマージャケットを重ねて、凛としたたたずまいに整えました。
メタリックな素材を生かした
“ロマンチック×グラマラス”
パンツに適度な主張を込めると、凜々しい立ち姿に映ります。抜群にアイキャッチーなのは、ラメやルレックスなどのきらめき素材。装いの主役を任せられます。夜のお出かけなどに映えること間違いなしです。
「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」は、メタリックのジャガードパンツを打ち出しました。シャイニーな生地に、茎や葉などのボタニカルモチーフの織り模様をほどこし、すっきりとしたレッグラインでありながら、グラマラスさも引き立てています。ロマンチックなバラ柄のシフォンブラウスとのコントラストが冴えています。
プレッピーとレトロをミックス
懐かしくも新しい“Y2K”スタイル
勢いが続くレトロトレンドを取り入れる場合も、パンツは格好の受け皿に。シルエットやモチーフに懐かしい雰囲気を盛り込むと、レトロ感が強まります。
「コーチ(COACH)」のパンツルックは、マルチカラーの千鳥格子が決め手。セミフレアのシルエットにもレトロっぽさが漂います。2000年頃のファッションをリバイバルした“Y2K”にも通じるテイストです。朗らかなだまし絵のTシャツと合わせて、“プレッピー×古着”をミックスしたようなスタイリングが、ノスタルジックな気分を高めています。
1970年代のヒッピースタイルや、90年代のグラマラス、ネオプレッピーなど、さまざまなテイストが打ち出され、好みのパンツを選びやすくなってきた今、柄パンツを取り入れない手はありません。アクティブで動きやすいのに加え、華やかさや主張も加わるので、シンプルになりがちな薄着の季節には重宝したいアイテムです。夏到来を前に、外歩きが楽しくなるような、自分好みの1本を見つけてみては。