自粛の緩和により、外出する機会が増えてきた人も多いのでは?なかなか人と会えなかった分、これまでにも増してファッションやメイクを楽しみたいという思いが膨らんでいるはず。そんな気持ちにさらに彩りを添えてくれるのは、コーディネートにマッチする香りだ。今回はデザイナーやスタイリスト、バイヤーなど自身のスタイルを知り尽くした12人のファッショニスタに愛用している香水を教えてもらった。
長尾悦美/高島屋ウィメンズファッションクリエイティブ・ディレクター
「ル ラボ」の“ローズ31”
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私にとって香りをまとうことは、ジュエリーを身につける感覚に似ています。長年つけていくことで、肌の一部になっていくようなイメージですね。ずっと愛用している「ル ラボ(LE LABO)」の“ローズ31(Rose31)”は、その名の通りローズがベースですが、フェミニンな感じではなくスモーキーで色気のある香りが気に入っています。普段からメンズライクなアイテムをスタイリングに取り入れることが多いのですが、香水もユニセックスなムードの中に女性らしさを感じられるようなものが好きです。
濱本愛弓/スタイリスト
「フエギア1833」の“ヤグアレテ”
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以前から気になっていたフレグランスブランド「フエギア1833(FUEGUIA 1833)」。誕生日の記念にと、2022年の1月に“ヤグアレテ(Yaguarete)”を購入しました。店頭で個性的で芯の強い女性が好むジャガーの香りと説明を受け、調香師さんが考えたその女性像に一目惚れ。この香水をまとうことで、私自身もそんな人に少しでも近づけたらなと思っています。私にとって、香りは着こなしの一部です。自分のスタイリングに合うように、品のある男性がつけていそうな香りを選ぶことが多いですね。
マティー/「リトマス/ルーテンス」エリアマネージャー
「セリーヌ」の“ナイトクラビング”
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新たな香りでフレッシュな気持ちになりたいと思い、「セリーヌ(CELINE)」の“ナイトクラビング(Nightclubbing)”を購入しました。 その名前の通り、エディ・スリマン(Hedi Slimane)が働いていたパリのナイトクラブが着想源で、「夜にふさわしい香水」というのが自分にぴったりでした。毎日欠かさずつけていますが、その日のスタイリングと香りのムードがズレないように意識しています。着こなしに馴染み、深みやスパイスを与えてくれるフレグランスは、コーディネートの“調味料”のようなものですね。
横澤琴葉/「コトハヨコザワ」デザイナー
「ラボラトリオ・オルファティーボ」の“コズメル”
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普段からカジュアルな服装が多いので、甘すぎず少し男性っぽさを感じる香水が好きです。4、5年くらい前から愛用している「ラボラトリオ・オルファティーボ(LABOTATORIO OLFATTIVO)」の“コズメル(Cozumel)”は、ノーズショップ(NOSE SHOP)で色んなフレグランスを試して見つけました。爽やかさがありつつも、スモーキーで少し塩分を感じるクセのある香りがお気に入りです。香水は、その日の気分と今までの記憶を結びつける架け橋のようなもの。出かける前に香りをまとうことで、自分にスイッチを入れています。
記虎ミア/モデル
「ディプティック」の“フィロシコス”
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ロンドンのセルフリッジ(SELFRIDGES)で働いていた時に出合った「ディプティック(DIPTYQUE)」の“フィロシコス(Philosykos)”。これまでも色々と試してきましたが、結局この香りに戻ってきてしまいます。フレッシュなのにミルキーな甘さもあり、どんなシーンでも合うナチュラルな香水です。普段はどこかにビンテージアイテムをミックスさせるのが定番の着こなしなので、スタイリングの引き締め役として、香りを添えることで自分らしさをさらに引き出せているような気がします。
高橋れいみ/「ララガン」デザイナー
「ララガン」の“キッサコ”
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香水は着こなしに合わせるよりも、自分のスタイルやパーソナルな部分に響くものを選んでいます。最近愛用しているのは、「ララガン(R.ALAGAN)」で初となる練り香水と液体香水の“キッサコ”(KISSAKO)。「ロク」でポップアップを開催した際にノベルティで香水を作り、香りを追求してみたいと思ったのがきっかけで制作に至りました。つける人の体温や身体の香りと混ざって変化していくので、唯一無二の香りを楽しめます。香りをまとうことは、自分の身体と心を落ち着かせるためのお守りのようなものですね。
白石理絵/ヘア&メイクアップアーティスト
「バイレード」の“ヤングローズ”
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仕事柄、香水は休日につけることがほとんどです。香りは目に見えませんが、人を印象づけるものなので、スタイリングの延長線上にあるものだと考えています。最近購入したのが、コスメラインが好きでフレグランスも気になっていた「バイレード(BYREDO)」の“ヤングローズ(Young Rose)”。ダマクスローズにスパイシーなシシュアンペッパーを重ねた甘すぎない香りに引かれました。普段はカジュアルな服装が多いので、大人っぽい香りをつけることで、全体のバランスを整えるようにしています。
長谷川左希子/アデライデ、アディッション アデライデ =マネジング・ディレクター
「フエギア 1833」の“マレーナ”
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2年ほど前からつけているのが、「フエギア1833」の“マレーナ(Malena)”。マグノリアとカシスのフルーティーな香りなのに、どこか哀愁を帯びているところが気に入りました。つける時のポイントは、直接肌へつけず空中でワンプッシュをし、その下を通ること。身体からほんのりと香りがするようにしています。香水は、いつものコーディネートをさらに自分らしくするためのスパイスのようなものですね。スタイルを作る上でなくてはならない存在です。
クヴァジェ彩/セラミックアーティスト
「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」の“ローズ・ドゥ・ダマス”と“スミ・ヒノキ”
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本格的な夏になる前の季節は、「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY 以下、ビュリー)」の“ローズ・ドゥ・ダマス(Rose de Damas)”と“スミ・ヒノキ(Sumi Hinoki)”を愛用中。雨の日には2つセットで、晴れている時は“ローズ・ドゥ・ダマス”のみを使用するなど、季節やその日の気候に合わせて香水を変えています。土に近い足首にはウッディなものを、フローラル・煙っぽいものは上半身につけるのも自分ならではのこだわりかもしれません。ジュエリーをまとうような感覚で、フレグランスも気分とムードにマッチするものを選ぶことが多いですね。
山野邉彩美/「トゥモローランド」バイヤー
「サノマ」の“1-24”
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「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」で取り扱いがスタートした際に、「サノマ(CANOMA)」クリエイターの渡辺裕太さんに会ったのがきっかけで、“1-24”という香りを一年ほど前から使っています。どこかノスタルジックで安堵感のある香りが好みですね。肌の温度で匂いも変化しているような気がして、季節問わずに身につけています。毎日スタイリングをする上で、香水は欠かせないアイテムです。しっかりと存在感がありながらも、主張しすぎない香りを選ぶようにしています。
佐藤友美/「RUMIKA」ヘアスタイリスト・ヘアメイク
「ノンフィクション」の“ガイアックフラワー”
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以前、韓国人の友人がインスタグラムでアップしているのを見て以来、気になっていたブランドが「ノンフィクション(NONFICTION)」です。最近日本に初上陸したのですが、ローンチイベントの手伝いをしたことを機に購入しました。自身の直感を頼りに選んだ香りは、“ガイアックフラワー(Gaiac Flower)”。可憐なのにセンシュアルなムードも感じるところが気に入っています。香りは、記憶に残るものだと思うんです。私にとって香水をつけることは、自分という人間がどういう人なのかを伝えるための手段のひとつですね。
リコ/デザイナー、ディレクター
「アポーシア」の“イフ ロールオン”
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10年以上前から使っているのが「アポーシア(APOTHIA)」の“イフ ロールオン(If Roll On)”。お店ではじめて香りを嗅いだその瞬間から、心を奪われたのを覚えています。香水特有のツンツンした感じが一切無く、自然な匂いがお気に入りです。フレグランスをまとうことは、自分のスタイリングをまとめてくれる最後の飾り付けのようなもの。出かけるときは欠かさずつけています。毎日の気分で洋服を選ぶような感覚で、その日のムードにマッチする香りを楽しんでいますね。