LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)などのラグジュアリー企業が結成したオーラ ブロックチェーン コンソーシアム(Aura Blockchain Consortium)はこのほど、英国のチャールズ皇太子(Charles, Prince of Wales)が設立した「持続可能な市場のためのイニシアチブ ファッションタスクフォース(Sustainable Markets Initiative Fashion Taskforce以下、SMI)」への参加を発表した。オーラ ブロックチェーン コンソーシアムが開発を進めるブロックチェーン技術などを共有し、業界の透明性とトレーサビリティーを推進する。
SMIはテキスタイルやアパレル業界の持続可能な未来への移行を目的に、2020年にスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムで設立。ファッションタスクフォースはフェデリコ・マルケッティ(Federico Marchetti)=ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)前会長兼創業者が議長を務め、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」や「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」「バーバリー(BURBERRY)」など15ブランドが加盟する。直近では、環境再生型農業とデジタルIDを活用した循環経済を注力領域に取り組む。
一方オーラ ブロックチェーン コンソーシアムは、LVMHとプラダ グループ(PRADA GROUP)、コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が21年4月に共同で設立。以来、「ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」などを擁するOTBグループとメルセデス・ベンツ(MERCEDES BENZ)も加盟している。「ラグジュアリーブランドによるラグジュアリーブランドのためのソリューション」を掲げ、メタバースやNFT関連を含む技術開発に取り組む。すでに加盟メンバーに対しては、原材料からエンドユーザーまでの製品の追跡が可能となる独自のデジタルIDを取得するサポートを提供している。
マルケッティ議長は、「オーラ ブロックチェーン コンソーシアムの技術は、業界における透明性やイノベーション、そして業界内の連携に貢献してくれる。私たちはともにサステナブルな業界の実現に向けて歩みを加速させる」とコメント。
オーラ ブロックチェーン コンソーシアムのダニエラ・オット(Daniela Ott)事務局長は、「私たちのブロックチェーン技術やNFTソリューションを通じて、SMIを支援できて光栄だ。共通のビジョンに向けてともに循環性とトレーサビリティーを推進していきたい」とコメントした。