グローバル刃物メーカーの貝印は、デザインコンテスト「カイ ハット&ヘッドピース コンペティション(KAI Hat & Head-piece Competition)」を開催する。審査員にフランス国家最優秀職人章(M.O.F.)の称号を持つハット&ヘッドピースデザイナーの日爪ノブキ、スペシャルサポーターに冨永愛、特別審査員にプロスケートボーダーの四十住さくらを迎える。募集期間は7月1日11時〜31日23時59分、公式サイトから受け付ける。
作品の募集テーマは、貝印のコーポレートカラーでもある“オーシャンブルー”。第1次選考では、デザイン画から優秀賞を複数選定し、8月10日の「ハットの日」に開催するイベントで発表する。受賞者は、実際に作品を制作し、11月8日の「いい刃の日」に開催するイベントで展示。その中から最優秀賞の1作品が選ばれる。
優秀賞受賞者には貝印の縫製ハサミ、最優秀賞受賞者には2023年春以降のヨーロッパ・ファッションデザイン研修旅行も贈呈される。
審査員の日爪ノブキは、国内外の舞台やミュージシャンの帽子、ヘッドピースなどを手掛ける人物だ。09年にフランスに拠点を移してからは、パリのメゾンブランドの帽子なども数多く担当。19年には、フランス文化の継承者にふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される、フランス国家最優秀職人章を受章した。この称号は、日本の重要無形文化財(人間国宝)に相当すると言われている。現在は、アーティスト名義の「ノブキ ヒズメ(NOBUKI HIZUME)」や、自身のブランド「ヒズメ(HIZUME)」のデザイナーとしても幅広く活躍する。
コンテストの開催に際して、同氏は「僕は、良いものを長く後世にも伝えられるモノづくりを目指して、日々クリエイトしている。単に作品として優れているだけでなく、アップサイクリングなどの環境にも配慮した作品をつくっているので、今回もそういった作品を見てみたい」とコメント。
さらに自身の過去の経験を踏まえて「僕の人生も、何気なく参加した初めてのコンテストで変わった。そこで幸運にも見いだしてもらえたおかげで、自分の可能性に気付くことができ、道が開けた。この世界で成功するには、2〜3回チャンスをつかみ取る必要がある。その1回を、今回の“KHHC”でぜひつかみ取ってほしい」とエールを贈る。
現在、貝印は長年培ってきたノウハウと同氏の知見を生かして “世界最高峰の縫製ハサミ”を共同開発中だ。「良いモノを長く使う」という視点から、刃物は元来サステナブルであること、切るという機能だけでなく、切れ“味”にもこだわる日本ならではの視点を突き詰めることが世界で認められるモノづくりにもつながること。両者に共通するこれらの思いが、同コンテストの趣旨にもなっている。