仮想通貨とかNFTとか、最近耳にタコができるほど聞く。それでも「あれはまだまだ港区おじさんのものだから、僕には関係ないなぁ」なんて思ってた。それがどうだ。この1カ月で、まんまと沼にハマってしまった。その原因が、歩いて稼ぐNFTゲーム「ステップン(STEPN)」である。「歩けば必ず稼げる」と言われ、それはひと月で200万円とも2000万円とも。それで今僕は、雨の日も風の日も毎日歩いている。これは仮想通貨もNFTも“初心者”の僕によるリポート。だから、ここに書いてある情報は鵜呑みにせず、気になることは検索してほしい。でもこれだけは忘れないで。あくまでも“ご利用は計画的に”。レッツウオーキング!(この記事は「WWDJAPAN」6月13日号からの抜粋です)
「ステップン」とは何か?ルールをおさらい
まずはスニーカーを入手!
歩くには、スニーカーをアプリ内で買うか、もしくは既に「ステップン」をやっている人からもらう必要がある。これが俗に言うNFTだ。なのに、デザインがダサい、ダサ過ぎる。スニーカーは(当時)安くても10数万〜上はウン千万円(レア度によって異なる)なので、お財布と相談しながら決めて欲しい。ポイントは能力値の「Efficiency(効率)」と「Resilience(回復力)」の高いスニーカーを選ぶこと。
仮想通貨をなんとなく覚える
「ステップン」内のやりとりは「GST」「GMT」「SOL」といった仮想通貨(トークン)なので、覚悟しておくこと。なんてたって、乱気流ぐらい不安定。で、まずは取引所が違うので、イーサリアムを買ってSOLに変換。そして、「バイナンス」か「ソラナ」のどちらかのチェーンを選ぶのだ。チェーンで価値が違うため、バイナンスの方がソラナの3〜4倍高い。初心者はソラナでいいかも。
とにかく歩く!
スニーカーを手に入れたらとにかく歩く。ただし、1日(22時間で全回復)に歩ける時間が決まっているのだ。スニーカーのレア度によっても異なるが、1足だとわずか10分。3足で20分、15足で60分、30足なら100分。一番効率が良さそうなのが9足で45分。「Walker」「Jogger」「Runner」とスニーカーのタイプによって、必要な歩きの速度も変わる。GPSと連動しているので、屋根の下や天気が悪いと反応が鈍い。
スニーカーを増やす
とにかく一足だと一生元がとれそうにないので、スニーカーを増やしていくしかない。これにはいくつか方法があって、単純にお金を出して買うか、スニーカー2足を掛け合わせて新しいスニーカーを生み出す“ミント”をするか。もしくは、誰かにもらうか。原資回収には9足が最も効率が良さそう。仮想通貨が安定していれば、投資分(当時9足で130万円ほど)を1カ月半で回収できる計算。その後は利益確定の無双状態。こうして“ステップン長者”が次々と生まれていく。
レッツウオーキング!
さあ、冒険の始まりだ。
このときのレートで12万円ぐらいのスニーカーを買って、初日はお約束の10分歩いた。稼いだのは3.23GST。しかし、レベル上げで3GST消費する……。まさかレベルが完全に上がり切るまで(最高30レベル)稼げないのでは?と不安になる。
レベル5の壁
レベル4から5にレベルアップさせるとき、初めて10GST+10GMTが必要になる。ここまでレベルアップを繰り返していると、これまで歩いた分では足りないので、何日か歩くか、金で解決することになる。そういうシーンがレベル10とかでもやってくるので、なかなかシブい。
たまらず、1足買っちまおう!
1足だと原資回収に途方に暮れてしまった僕は、ひとまずもう1足買うことにした。このとき、ちょっとレートが下がって、1足8万円ぐらい。「スニダン」で売っているスニーカーが一瞬安く思えた。でもこれで、新しい方をレベル5にすれば“ミント”ができる。ちなみにミントするのに最低200GSTかかる(泣)。
念願の“ミント”でついに3足だ
とにかく、ミント用の200GSTを稼ぐのは時間がかかり過ぎる(そしてこの企画に間に合わない)ので、ひとまずお金で解決だ。200GSTは当時のレートで8万円ぐらい。こうして、3足揃えて20分歩けるようになったのだ。後々の話だけど、20分歩けば、レベル20で1日30GST(当時で約1万2000円)ぐらい稼げる。そんな感じで、日々歩いていたわけだ。
中国禁止のニュース!まさか……
「ステップン」を始めて2週間後、あるニュースが全世界のステップンユーザーを震撼させた。「ステップン」が規制の厳しい中国で7月から禁止になることが発表されたのだ。このニュースが流れて、「ステップン」関連の仮想通貨が暴落して、わずか3日間で50%以上ダウンした。4月下旬にはGSTは一時1000円を超えていたし、僕が始めた頃にも400円台だったのに……。仮想通貨恐るべし。ぴえん。
感想
結局、30万円を溶かしてしまったのかと言われたら分からない。まだGSTを現物にしないで持っているし、日々貯まっている。「ステップン」とは、正しくはフィットネスNFTゲームだ。つまり、本来、欲望は二の次で、歩きながら健康になれるならそれでいいじゃん、と考えるべきなのかもしれない。僕も1カ月で5キロ痩せた。しかも今のレートなら、1万〜2万円でスニーカーが1足買える。これをチャンスと捉えるかどうかはアナタ次第。「ステップン」がいつかどこかのブランドとコラボして、爆騰することを願って、今日も歩き続ける。
※仮想通貨の変動が激しいのと取引所の異なるイーサリアムを最終的にGSTに変換しているため、本文内の日本円は推定。スタートした5月16日のGST最高値は414円。“中国ショック“が広がった5月31日の最高値は189円だった。なお、6月9日現在は70円台を推移している。