狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.27。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは「キジ白の美」。黒強めのトラ柄に白いモフ毛、ベビーピンクの血色を宿した麗しのわが猫息子ラッテはブルベの神。パーソナルカラー診断にまつわる微妙な想い出を振り返りつつ、キジ白の凛とした美しさをにあやかるコスメ&アイテムをお届けします。
捉われたくないけど、バチッとハマッたときのビューティ効果は絶大
先日、ヘアサロンでカラーをしたときのこと。最近お気に入りの塩っぽい西海岸カラーをオーダーしたのだが、今回はやや青み強めのシルバーっぽいニュアンスに。こういうカラーは私には縁がないと思っていたが、妙にしっくりきて驚いた。肌がパッと明るく見える。すると担当のスタイリストさんが「サカイさんはブルベだから似合いますね」とひと言。
「え? ブルベ……? 私はイエベでは……」
「この色似合う人がイエベってありえないですよ。多分ブルベ冬ですね」
とのこと。そ、そうなの!?
さかのぼること15年ほど前、都内某所でパーソナルカラー診断をしてもらったことがあった。プロのメイクアップアーティストが似合うカラー傾向を分析し、その色を使ったメイクで魅力をアップさせ撮影まで行ってくれるというものだったのだが、そこでは確かに「イエベ秋」と言われたのを覚えている。ワクワクして臨んだものの、完成した写真に写っていたのは、10年後にタイムスリップしたのかと思うぐらい老け感マシマシの私……。わざわざおばさんメイクをされて、おばショットを撮られ、お金を支払うという意味の分からない体験をさせられた私は、「ブルベイエベってなんなん」と疑念が拭えず、以降ブルベイエベを無視して生きてきた。
パーソナルカラー診断は昔からあるが、ここ数年、若年層が積極的に取り入れていると聞く。自分の診断結果に納得がいっていない私としては、「そんなものに捉われないで好きな色を自由に使え!」といいたいところだが、あまりに流行っているので、「プロがイエベというのなら……」と茶系やオレンジ系、枯れ葉っぽい色など、イエベ秋に似合うとされる色に挑んでみたこともあったが、やっぱりことごとく似合わなかった。服やメイクで取り入れると、とたんに肌がくすんでぼんやりしたり、もっさりしたりして見える。だから、深いブルーやグリーンなどの涼しげな色を取り入れてきたのだが、これらはブルベ冬に似合う色なのだそうだ。青みの髪色も肌がきれいに見えるし、ブルベイエベは確かに、正しく取り入れれば魅力を引き出せるものなんだなあと、この歳になって実感できた(遅い)。
キジ白は黒のトラ柄、純白のモフ毛、ピンクの血色を宿したブルベの神
人間の肌のように猫の毛柄もいろいろなので、ブルベイエベに分けられなくもない。私と同じブルベ冬の猫はいないか……と探してみたら、いた。しかもいちばん近くに。わが家の長男猫・キジ白のラッテである。
トラ猫の中でもキジ白は、猫の祖先であるリビアヤマネコのDNAを色濃く受け継ぐ野生型・キジトラに白が混じった毛柄。キジトラは茶系なので本来ならばイエベで、どちらかというとサバ白(サバトラ柄に白が混じった毛柄)の方がブルベなのだと思うが、ラッテは顔や背中、しっぽは黒強めのサバトラ柄なのに、肘の部分だけキジトラ柄というトリッキーな毛柄をしているので、キジ白なのだろうが、パッと見はほぼサバ白でブルベである(なんのこっちゃ)。
ブルベ冬は、メリハリのあるはっきりとしたモノトーン、特に暗い鮮やかな色が似合うという。黒が濃いクールなトラ柄と、それを最高潮に引き立てる純白のふわふわとした白毛、ベビーピンクの耳・鼻・唇をもつわが猫息子ラッテは、まさにブルベ冬の美の象徴と言えよう。
凛々しさの中にかわいさも ブルベ冬の猫神にあやかるビューティアイテム3
というわけで今回は、キジ白(サバ白?)のブルベ美にあやかるアイテムをピックアップ。ポイントは、キリッと凛々しいクレオパトララインと、ベビーピンクの血色、そしてヘーゼルの瞳!
まずは、クールな黒地のトラ柄とのコントラストが可愛い、ベビーピンクに染まった耳、鼻、唇をメイクで再現。「トーン(TO/ONE)」の“ペタル リップ アンド チーク”は、顔のどこにでも自由に使えるマルチカラー。溢れ出すような色と艶で、温度感のある自然な血色を演出できる便利なアイテムだ。頬や唇だけじゃなく、鼻先や耳たぶにもチョンとのせてキジ白(サバ白)の小悪魔ムードを楽しもう。
目元は、猫の祖先リビアヤマネコの御印、クレオパトララインを。「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ(DOLCE & GABBANA BEAUTY)」“フェリンアイズ アイライナー スティロ”でキュッとキャットラインを描いて、凛とミステリアスな眼差しを手に入れよう。まぶたの動きにフィットするから、細い線から太い線まで安定した描き心地を実現。“おっきい猫”レオパード柄もかわいい!
キジ白の瞳はブルーやグリーン、ヘーゼル、オレンジとさまざま。メラニン色素が少ないほどブルー、多いほどオレンジになるという。ブルベ感を出すならブルーやグリーンがベストだが大人の普段使いには厳しいので、ヘーゼル辺りで試してみよう。ロート製薬の“エマーブル トゥルーヘーゼルマーブル”は、瞳にじゅわっとなじむ左右非対称のデザイン&ぼかしフチで、ナチュラルに瞳をカラーチェンジ。潤いたっぷりの快適なつけ心地と、色素が直接目に触れない3層構造により、瞳の健康を守りながらメロウな眼差しをかなえる。
ちなみに、わが家の次男・白猫のキツネはブルベ夏、三男・茶トラの寅多ティティはイエベ秋になるのだろうか? このあたりも研究し、また近いうちに。