販売員のスナップ投稿サービス「スタッフスタート(STAFF START)」を運営するバニッシュ・スタンダードは、東証グロース市場への新規株式公開(IPO)を検討している。「スタッフスタート」は16年9月にスタート後に急速にユーザーを拡大、現在は1700ブランドが導入し、10万人以上の販売員が利用するサービスになった。同社は上場で得た資金を海外進出に投じる考え。
同社は創業者の小野里寧晃社長CEOが2011年3月に創業。当初はアパレル企業のEC支援などを行っていたが、社員が全員退社するなど倒産の瀬戸際に追い込まれていた16年9月に「スタッフスタート」を開始。ウェブサイトでは定番コンテンツなっていた販売員スナップを、手軽な操作でECサイトと連携した同サービスは、ECサイトの購買率を大幅に向上させたことから導入企業が急拡大。同社が「スタッフコマース」と呼ぶ、巨大な市場を創出した。「スタッフサービス」経由で21年の流通額は1388億円に達している。小野里社長は「すでに『スタッフスタート』のユーザーの販売員の中には月に1億770万円を売り上げる人もいる。それ以上にECと接続したことで10万人20万人単位のお客を獲得し、それがリアル店舗への来店へとつながり始めている」という。
バニッシュ・スタンダードはベンチャーキャピタルやファンドからの出資を受けておらず、同社の株式は小野里社長が100%所有している。19年にはスマレジの元取締役の地引一由氏を社外取締役に招くなど、上場に向けた準備を進めている。