ファッション

英投資会社が「キャス キッドソン」を買収 香港の投資ファンドから

 英投資会社ヒルコ・キャピタル(HILCO CAPITAL)は、英国のライフスタイルブランド「キャス キッドソン(CATH KIDSTON)」を、香港の投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(BARING PRIVATE EQUITY ASIA以下、BPEA)から買収した。取引額などの詳細は公表されていない。

 「キャス キッドソン」は、1993年にイギリスのデザイナーであるキャサリン・イザベラ・オードリー・キッドソン(Catherine Isabel Audrey Kidston)がロンドンで創業。小花やバラ、野イチゴなどのクラシカルなモチーフをモダンに再解釈した柄が特徴的で、インテリアや雑貨など幅広い商品を展開している。2010年に米投資会社TAアソシエイツ(TA ASSOCIATES)が過半数株式を取得。16年には、「キャス キッドソン」の少数株主だったBPEAがTAアソシエイツの保有する株式を取得し、支配株主となった。その後、業績がやや低迷しているところにコロナ禍が追い打ちをかけ、20年には管財人の管理下(会社管理)となったが、店舗の閉鎖や人員削減などを経て事業を再建。BPEAによれば、EC、卸、フランチャイズ事業に注力し、22年3月通期決算の売上高は2900万ポンド(約47億円)で黒字だったという。なお、売り上げのおよそ3分の1を海外市場が占めている。

 同ブランドの日本事業は10年までユナイテッドアローズが手掛け、11年からはサンエー・インターナショナルが引き継いだが、15年に撤退。以降は英キャス キッドソン本社が全額出資するキャスキッドソンジャパンが事業を継承していたが、20年4月に破産した。一方で、19年には伊藤忠商事が「キャス キッドソン」のコスメ・化粧品分野の日本市場における独占輸入販売権を取得し、化粧品や日用品の専門商社である東京堂を通じてバラエティーストアやドラッグストアなどで販売している。

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