専門店チェーン、セレクトショップの2022年6月度売上高(既存店ベース)は、月初の梅雨寒で各社売り上げを落としたものの、関東甲信地域で梅雨明けが宣言された27日前後以降は好調という声が中心となった。前年実績を割り込んでいるユニクロやしまむらも、実質的な内容は悪くないという。
ユニクロの国内店舗とECの売上高は、前年同月比10.2%減だった。ただし、「前年は6月に開催していた感謝祭を5月に前倒しした影響が大きく、5、6月の累計では前年実績を上回っている」(広報担当者)。梅雨明け宣言の前後から「一気に客数も伸びた」といい、メンズは“感動パンツ”“感動ジャケット”、ウィメンズはドルマンスリーブのTシャツやUVカットのカーディガンなどが売れ筋で、「通勤着としても着られるアイテムのニーズが戻ってきている」。
しまむら(5月21日〜6月20日で集計)は同0.2%減と、21年10月以来8カ月ぶりの前年実績割れ。ただし、「気温が低かった6月第2週以外は好調だった。集計期間に入っていない21日以降も夏物がよく動いており、問題はない」と広報担当者。
「無印良品」を運営する良品計画は同11.4%減。衣服・雑貨カテゴリーは主力の婦人服が伸び悩んで同8.0%減、生活雑貨カテゴリーは同15.2%減と大幅に割り込んだ。同社は30日に、22年8月期の業績予想を下方修正している。
アダストリアは同8.1%増。「社内での数字の受け止め方は“まあまあ”といったところ。梅雨明け以降、7月にかけて盛夏物がしっかり動いている」と広報担当者。
ユナイテッドアローズは同6.3%増。「気温上昇と共に夏物衣料の動きが活発化し、客単価は前年同月に対し2ケタ増」(発表資料から)という。コロナ禍前の19年6月との対比では21.0%減。メンズでジャケット、パンツが動くなど、ビジネス衣料のニーズに戻りが見られる。