百貨店主要5社の2022年6月度業績は、1〜2割の増収だった。コロナ禍以前の19年同月との比較では1〜2割減。ラグジュアリーブランドや宝飾品など高額品は引き続き好調で、気温の上昇により夏物衣料品も伸長した。
前年同月と比較した各社の売上高は、三越伊勢丹が15.6%増(19年同月比6.5%減)、高島屋が13.5%増(同5.3%減)、そごう・西武が7.2%増(同15.4%減)、大丸松坂屋百貨店が20.2%増(同13.3%減)、阪急阪神百貨店が20.2%増(2.6%減)。
三越伊勢丹は両本店(伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店)が19年同月実績を上回った。阪急阪神百貨店の阪急うめだ本店も19年同月比2%増。100万円以上の高額品の売上高が大きく伸長したほか、「夏のスタイリングを意識したアクセサリーやバッグなどのニーズが高い」(同社広報)。大丸松坂屋百貨店はラグジュアリーブランドと宝飾カテゴリーで19年実績を上回った。
各社は7月1日から夏のクリアランスセールを一斉スタートした。伊勢丹新宿本店のセール初日売り上げは前年比約30%増(19年比では34%減)。そのうち正価販売も27%伸びた。特に衣料品は通勤や外出、旅行などを意識した買い替え需要が見られ、婦人、紳士共に1.5倍とけん引。「セール以外の先行品、限定品目的の購買も目立った」(同社)。高島屋もセール初動3日間(7月1〜3日)の売上高が前年から大きく伸びた。