「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズるに至った背景を探る。今、SNSで何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。
今回は、「ジェンダーレス」を意識するあまり「可愛さ」が見えづらくなったコスメのプチ炎上からスタート!
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ソーシャルエディター 浅野:今春「キャンメイク(CANMAKE)」がパッケージをシンプルなものに変更し、「これまでのラブリーな世界観、可愛さがよかったのになぜ?」とプチ炎上してしまいました。これをきっかけにSNSでは、「最近のコスメのシンプル化はなぜ?」や「ジェンダーレス化はわかるけど、可愛い世界も残して欲しい」などの意見が目立っています。特に新興のコスメブランドでは「スリー(THREE)」や「シロ(SHIRO)」を意識したシンプルなパッケージが増えており、ジェンダーレスな表現を心がけている印象です。でも「ラブリーな世界観」が支持されていたブランドまでジェンダーレスに“迎合”するのは、既存ユーザーにとってどうなのか?「キャンメイク」のメッセージだった「女の子って本当に楽しい!」は差別なのでしょうか?「シンプル=ジェンダーレスなのか?」など、思わず考えてしまいます。
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余談ですが、市場の「ラブリー感」不足が影響か、Cコスメの「フローラシス(FLORASIS)」や「フラワーノーズ(FLOWERKNOWS)」などの、めちゃくちゃデコラティブでラブリー全開なブランドが人気急上昇中です。
記者 村上:「キャンメイク」は、「女の子って本当に楽しい!」というメッセージさえ、「かわいい!に出会える」に変えましたよね。正直僕も、以前のメッセージの方が独自性があって好きだったけれど、企業として「じゃあ、男の子は楽しくないのか?」とか、転じて「男は『キャンメイク』を買っちゃダメなのか?」というリアクションを恐れる気持ちも理解できます。とは言え、最近はジェンダーレスに捉われたトンマナが目立ちますね。
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ファッションの世界でも、性別を問わず、どんな体型の人でも、TPOを選ばず着られるオーバーサイズのフーディが増えました。特に「サステナブル」を謳う新ブランドが提案しがちで、バイヤーの中でも「食傷気味」という人が増えています。コスメもD2Cを筆頭にグレイッシュな色味のシンプルなパッケージが増えて、判別しづらくなったね。もちろん環境負荷を最小限にするため「容器メーカーの既存品から選んでいる」などの事情があることは理解していますが、他の選択肢があっても良い。
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