東京・東銀座に、ライフスタイルショップ「フィールシーン(FEELSEEN)」がオープンした。同店舗は築60年超えの地上4階建ての元日本舞踊の稽古場。入り口には植物がたくさん置かれており、ふらりと入りたくなる親やすさがあるオープンな雰囲気だ。同店舗は、アッシュ・ペー・フランス(以下、H.P.)創業者の村松孝尚氏がプロデュースしており、パートナー企業と運営する。村松氏は2021年2月、H.P.を退社。同年4月に村松孝尚株式会社を設立した。
1階には、以前H.Pで展開していたフランス人バイヤーのマルト・デムラン(Marthe Desmoulins)がセレクトした家具や雑貨などがそろう。現地で買い付けているものが多く、蚤の市のような雰囲気だ。カラフルな食器やオリジナリティーあふれる照明、クッションなど、味のあるアイテムばかり。店舗スタッフとの会話を楽しみながら各アイテムのストーリーに触れることができる。
階段で2階に行くと、“蒐集家の部屋”と名付けられた空間が広がっている。エイチピーデコ(H.P.DECO)などで取り扱っていた「ジョン・デリアン(JOHN DERIAN)」のデコパージュアイテムをはじめ、「クーン・ケラミック(KUHN KERAMIK)」の陶器などが書籍とともにセンスよく並べられている。村松氏の書斎に置かれていた家具やアートなどが置かれており、売り場というよりはサロンのような雰囲気だ。
3階のテーマは、“ウェルネス”。ベッドルームのような空間では、リネンやクッションなどリラックスできる空間のためのアイテムをそろえている。
最上階は、ギャラリーだ。オープニング時には、世界中の多くのアーティストを発掘してきた村松氏が約30年前に出会ったエディ・デュビアン(Edi Dubien)が、このギャラリーのために描き下ろした約40点の作品を展示販売した。7月21日までは、堀出隼の個展を行う。
村松氏の出会いと思いが詰まった店舗
村松氏は、H.P.を創業して、世界中のクリエイターの作品を日本で紹介してきたセレクトショップのパイオニアともいえるような人物だ。その人と人とのつながりを大切にした独特のスタイルで、多くの消費者の心をつかんできた。彼は、「心の内に秘めた小さな声を、他の誰かに共感してもらうことを『フィールシーン(見られている気がする)』と言う。 心の中を見つめ合い、共感し合える場所になればと願う。2020年まで約30年、フランス・パリ、米ニューヨーク、東京の3都市周辺をうろうろしていた。これらの都市で、いろんな人に出会い、頭から湯気が出るようなクリエーションにたくさん出合った。空気までも、まるで私が来るのを待っていたように私を迎え入れてくれた。その空気感をこの店舗から伝えたい」とコメントしている。
■フィールシーン銀座
住所:東京都中央区銀座3-12-7 銀座ビル1-4F
電話番号:03-6260-6335
営業時間:12:00~19:00