企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回はコストコを例に、会員制ビジネスの収益構造について解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2022年7月11日号からの抜粋です)
年会費を原資に事業を運営し、お客さまに利益を還元する「会員制」のビジネスモデルの好例として、コストコ(COSTCO)についてお話しします。
まず、コストコの位置付けですが、世界の売上高が26兆円です。ウォルマート(WALMART)が断トツ1位で、2位がアマゾン(AMAZON)、そして3位がコストコ。世界トップクラスの米国拠点のグローバル小売業です。カテゴリーとしては、会員制ホールセールクラブに分類されます。
下に10年分の売り上げを並べてみました。10年前は13兆円だったんですが、直近の2021年8月期決算でその倍に成長しています。兆円単位の規模で倍になっているというのは、すごいことですよね。
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