ファッション

大人の“腹見せ”に取り入れたい3つの着こなし術【2022年春夏トレンド】

 控えめにお腹見せする装いが、大人の女性にも広がってきました。ヘルシーな肌見せは2000年代の“Y2Kファッション”から拡散していますが、ガーリーな雰囲気やルーズに見えやすいスタイリングなだけに、大人の女性が節度を保って取り入れるには、トップス選びやバランスがポイントになります。

 “チラ腹見せ”は世界中の有力ブランドからも相次いで登場していて、2022年春夏ミラノコレクションでは、「MSGM」がY2K風のピンクの腹見せルックを披露しました。ジャケットを重ねてお腹周りの見え加減を抑えるのは、このコーディネートの基本テクニックです。今回は、ロックダウン明けの上海から参考にしたいストリートスナップをピックアップ。レイヤードやトップス選びのポイントをレクチャーします。

レイヤードでさりげなくカムフラージュ

 “チラ腹見せ”といえばクロップド丈のトップスですが、上半身にもう1点プラスすると、立体感が出て効果的です。サマーレイヤードを使えば、素肌をさりげなくカムフラージュできます。

 1枚目の写真は、体にフィットしたクロップド丈のトップスに、長袖のスエットを肩に巻き付けて立体感を出しています。ボトムスと同素材の上下セットアップなので、統一感は申し分なし。袖を正面に垂らして、自然な落ち感も印象付けました。

 ジャケットを羽織るとボリュームが増し、ボディラインがさらに目立ちにくくなります。重ねるジャケット次第で全体のイメージを書き換えられるので、重宝したい着回しです。

 2枚目の写真では、デニムジャケットを羽織ってウエストの前だけをチラ見せ。トップスとパンツを黒でまとめて、クールな表情に仕上げました。さらに、パンツの裾をブーツインして、ジョッパーズ風のシルエットを際立たせています。レッグラインを細く見せる即効性の高い小技も見逃せません。

ブラウスや襟付きシャツでエレガントに肌見せ

 “チラ腹見せ”のキーピースにフェミニンなブラウスを取り入れると、繊細な雰囲気を帯びたスタイリングに様変わりします。

 1枚目の写真は、ゆったりした袖コンシャスのブラウスでありながら、ショート丈という意外さが楽しいトップスに注目。ハイウエストのタイトスカートと合わせて、素肌の見える面積をセーブ。レースのタイツで、脚はほんのり透けて見える程度にとどめました。足元にはメリー・ジェーンを迎えて、愛らしいムードを呼び込んでいます。

 クロップド丈のトップスでなくても、“チラ腹見せ”は試せます。たとえば、シャツの裾を正面で結ぶだけでもOK。大きめの結び目をこしらえれば、くびれが引き立つメリットも期待できます。

 2枚目の写真は、ミニマルな白シャツの前を絞ってチラ腹見せ。裾を無造作に結んで、気負わないムードが漂っています。白シャツならではの“きちんと感”が備わるので、大人の女性も割と取り入れやすいアレンジです。ゆったりめのデニムパンツとも好相性で、リラックスした、エレガントな佇まいに仕上がります。

黒でコンパクトに引き締めてスタイルアップ

 肌見せをする場合、クールな印象に整えると大人っぽいムードをまとえます。そこで役に立つのが黒のトップス。シックな黒特有のイメージが、カジュアル感を遠ざけてくれます。

 1枚目の写真は、クロップド丈のコンパクトなシャツジャケットで仕掛けた“チラ腹見せ”。黒の引き締めパワーが効いています。ボトムスは、メンズライクなデニムパンツでボリュームを出し、ウエスト周りを華奢に見せる効果を発揮しています。

 黒のトップスに、ボトムスもダークトーンでまとめれば、“チラ腹見せ”を大人風味に導くことができます。バッグやサングラスなどのアクセサリーを盛り込んで、視線をそらす作戦も有効です。

 2枚目の写真では、シンプルな黒Tシャツをチョイス。ヘッドスカーフやサングラス、ヘッドホン、斜め掛けバッグと、さまざまな小物を投入して視線を散らしています。ボトムスはワークウエア系のゆったりしたパンツを迎え、タイトなトップスとのボリュームのコントラストを演出。上半身をいっそう小ぶりに見せています。

 今回のスナップのように、レイヤードやきれいめトップス、黒での引き締め効果などを取り入れれば、街中での“チラ腹見せ”のハードルが下がります。今年も暑い日々が続きそうですし、試し甲斐のあるスタイリングです。大人の節度や上品な雰囲気の生かし方をマスターして、夏の後半戦を涼しく軽やかに乗り切っていきましょう。


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