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「リーボック」「バーニーズ」親会社ABGと決済システム提供のスタートアップが和解 ABGは株主に

 「リーボック(REEBOK)」「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「フォーエバー21(FOREVER 21)」などを傘下に持つブランドマネジメント企業のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)とテクノロジー分野のスタートアップ企業ボルト ファイナンシャル インク(BOLT FINANCIAL INC以下、ボルト)が和解した。ABGはボルトのオンライン決済システムなどを導入したが、想定通りに機能しなかったことで損害を負ったとして提訴していた。ボルトは引き続きABGにシステムを提供し、ABGはボルトの株主になる予定だという。

 ジェイミー・ソルター(Jamie Salter)ABG会長兼最高経営責任者(CEO)は、「当社は特にデジタルイノベーションとEC分野に注力し、常に最高クラスのパートナーと提携することで持続可能で拡張性のあるビジネスを築いてきたことを誇りに思う。ボルト社と提携したのもこのためだ。ABGはマジュ・クルヴィラ(Maju Kuruvilla)CEOによる新体制のボルトの株主になることでボルトとの関係を深めることを楽しみにしている」とコメントした。

 ABGは1月に訴訟を提起。同月にボルトの共同創業者ライアン・ブレスロー(Ryan Breslow)がCEOを退任して取締役会長に就任し、ブレスロー氏の後任としてクルヴィラ氏がCEOに就任した。

 ABGは、「商業的に妥当なタイムラインの下、ボルトが提供する機能を(ABG傘下)ブランドのウェブサイトにシームレスに搭載する」ことをボルトと合意していたが、「ボルトは完全に失敗した」と主張。ボルトが提供予定だった新規オンラインシステムの第一段階であるチェックアウト機能を「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」に導入したところ、ユーザー認証やシングルサインオン、分割後払いサービスの“バイナウ・ペイレイター(Buy now, Pay later)”機能に障害が発生したため、「ラッキー ブランド(LUCKY BRAND)」と「フォーエバー21」に同時期に導入予定だったが、これを断念したという。ABGによると、この「失敗作」によってブランドのECビジネスが阻害され、「フォーエバー21」は1億5000万ドル(約207億円)の損失を被ったと主張していた。

 ボルトは現在27歳のライアン・ブレスロー共同創業者が2014年に創業したスタートアップ企業。企業価値は110億ドル(約1兆3800億円)。パスワードなどを入力しなくてもワンクリックで買い物ができる機能を開発・提供している。

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