ファッション

電鉄系百貨店は残れるのか 東急、小田急、京王が次々再開発

有料会員限定記事

 電鉄系百貨店の建て替え計画が相次いで発表されている。戦前あるいは戦後の高度成長期に鉄道会社の小売り部門として設立された電鉄系百貨店だが、建て替えによってゼロベースで商業施設を考えた場合、百貨店業態のままでいいのかという問題に直面する。(この記事はWWDジャパン2022年7月18日号からの抜粋に加筆をしています)

 「小田急百貨店新宿店は、閉店しません」。新宿駅西口の小田急百貨店新宿店の本館には、そんなコピーが書かれた「大感謝SALE」の広告が懸垂幕から柱ばりまでたくさん掲示されている。昨年7月、親会社の小田急電鉄が再開発に伴って「本館の営業を終了する」と発表し、大きなニュースとなった。いくつかの売り場を別館ハルクに移して営業を続けるため、「閉店」ではない。勘違いする人もいるため、インパクトのある告知をするに至った。

 ただ、別館ハルクに移るのは食品、化粧品、ラグジュアリーブランドなど一部に限られる。大幅な規模縮小になることは確かだ。2029年竣工予定の高層ビルの低層部が商業施設になることは発表されているものの、それが小田急百貨店になるかは現時点では決まっていない。

 小田急百貨店と並ぶ新宿駅西口の顔である京王百貨店新宿店にも再開発の話が持ち上がった。隣接する新宿ルミネ1の区画と合わせて、京王電鉄とJR東日本が再開発する。完成は40年代とずい分先であり、中身は今後時間をかけて詰めることになる。しかし京王電鉄の都村智史社長は、6月17日付の「日本経済新聞」で京王百貨店について「競争力を保つには今の業態では厳しい」と述べており、京王百貨店のまま新ビルに入るかは分からない。

この続きを読むには…
残り557⽂字, 画像2枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。