フランス・パリ発ジュエラー「ブシュロン(BOUCHERON)」の新作ハイジュエリー“アイユール”が登場した。“アイユール”(ここではないどこか)をテーマとし、砂漠や海、山、熱帯雨林などのそのままの自然への旅をいざなうコレクションだ。毎年7月のハイジュエリーコレクションは革新的な素材やアプローチで完成する「ブシュロン」独自のオリジナリティ溢れるクリエイション。クリエイティブ・ディレクターのクレール・ショワンヌ(Claire Choisne)は今回のコレクションで、宝石や貴金属と小石や木、藤、隕石といった一見矛盾する世界と素材を融合させることにより、ポエティックな自然の美しさを表現した。誰もが自身を投影できる5つの世界が描かれている。
“リーフ ウーマン”
南国ジャングルの自然を
ダイナミックに表現
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“リーフウーマン(LEAF WOMAN)”は熱帯雨林の鮮やかな木々や花々の色彩やそこに生息す動物などを生き生きと自然の鼓動が伝わってくるようにジュエリーで表現した。約38カラットのグリーントルマリンが主役のカフブレスレットには、分子生物学などで使用される分子を分離する電気泳動の技術を用いて植物のテクスチャーを鮮やかに描いたアルミニウムを使用している。今にも羽ばたきそうなチョウのブローチにはブルガリスアサギマダラの羽をスキャンしたものを採用。ジャングルの熱気を感じさせるトロピカルフラワーのブローチ兼ヘアクリップには、ファイヤーオパールなどの宝石と共に、チタニウムが用いられている。また、ラッカー加工を施して、南国の花が持つシルクのような質感に仕上げている。リアルな自然をまとう喜びが凝縮されたセットだ。
モノトーンで描く
“ヴォルケーノ マン”
地球の奥深い極限の世界を支配するマグマの力についてモノトーンを軸に探ったのが“ヴォルケーノ マン(VOLCANO MAN)”だ。X線を通してしか見ることのない貝の内側のらせん構造をエアブラシでマザーオブパールに描いたネックレスは、まさに芸術品。それとは対照的なミニマルなデザインのネックレスには、樹齢3000年のオーク材を日本の焼杉の伝統技術で炭化させてダイヤモンドと組み合わせている。178石の円形のマザーオブパールとダイヤモンドでタコの足をアラベスクのように表現したイヤリングは、リアルかつ大胆で一度見たら忘れられないインパクトを放っている。このようにジェンダーレスなハイジュエリーを提案するのも「ブシュロン」らしい。
砂丘や地層、
小石が奏でるハーモニー
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“サンド ウーマン(SAND WOMAN)”は夢幻の砂漠が着想源。なだらかな砂丘の曲線、希少動物、鉱石と植物などから着想を得たグラフィカルで神秘的なセットだ。天然の籐に複雑な加工を施したネックレスや天然の貝殻をスキャンして再現したイヤリングなどユニークなアプローチが光る。原始からの地質層を有機的なフォルムで表現したのが、“アーザン ウーマン(EARTHAN WOMAN)”。このセットでも、革新的な素材や技術が用いられている。耳の上にチョウが止まったような叙情的なイヤリングは、軽やかに揺れるデザイン。チタンのおしべが揺れ、躍動感のある花のブローチは、スキャンした花びらをローズウッドで再現した想像上の花だ。浜辺や海をイメージしたのは“ペブル ウーマン(PEBBLE WOMAN)”。小石を削ってダイヤモンドと組み合わせたり、ウニをスキャンしてフォームを再現したネックレス、海辺から運ばれてきたかのようなサンゴ礁をモチーフにしたブローチがある。
ハイジュエリーの
境界線を広げる革新性
クレール・ショワンヌ/ブシュロン
クリエイティブ・ディレクター
2020年コロナ禍でイマジネーションの旅を通じて生まれたのがこのコレクション。「ブシュロン」のクリエイティブ・ディレクターであるショワンヌに話を聞くと、コレクションを制作するにあたり、クリエイションの制限を設けなかったという。「ネックレスやブレスレット、イヤリングを組み合わせた“パリュール”という概念も超えてみたいと思った」と続ける。このコレクションの各作品を結びつけるのは、色と感覚、そして感情だ。彼女は自然に対する敬意を表現するために、天然素材を使用しようと思い、試行錯誤を繰り返して加工や技術を見つけた。「地球上で最も美しい造形は自然が作り出したものだと思う。だから、“プレシャス”の定義を問い直し、感情を動かす美を追求し続けている」。革新性は、「ブシュロン」のヘリテージであり、ハイジュエリーの境界線を広げる上で不可欠な要素だ。「革新性および、私が思い描く夢を実現するために適切な素材を用いている。なぜなら、美しいもの全てが尊く、価値あるものだと考えるからだ」。
ブシュロン クライアントサービス
0120-230-441