ファッションECモール「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの22年4〜6月決算は、商品取扱高(GMV)が前年同期比9.5%増の1279億円、営業利益が同13.7%増の143億円、経常利益が同14.1%増の142億円、純利益が同14.1%増の99億円だった。出店テナントであるアパレル企業が為替や物流などのコスト増を受けて値引き抑制に動いたことで、平均出荷単価は2.6%増の7699円、平均商品単価は1.8%増の3552円と大きく上昇した。商品単価と出荷単価は低価格ゾーンのブランドの出店増加に伴い、長らく下落傾向にあったが、久しぶりの反転になる。澤田宏太郎・社長兼CEOは「アパレル製品のコスト増の影響で7月以降も商品単価や出荷単価の上昇は続くと見られるが、過去のデータを見る限り、『ゾゾタウン』の流通額に大きな影響はない出ないと見ている」。
出荷単価の上昇と物流拠点「ZOZOベース」の作業効率改善により、売上総利益率は0.2ポイント改善の9.3%、営業利益率(対商品取扱高)は0.5ポイント改善の12.3%に上昇した。
主力の「ゾゾタウン」事業のGMVは同11.5%増の1010億円、急成長している「ペイペイモール」事業は同14.5%増の112億円となったものの、「ペイペイモール」は通期で3割近い増加を見込んでおり、計画を下回った。「期初の計画は変えず、7月以降に挽回する」(澤田社長)考え。
また、アナリストからの質問に答える形で、急成長を続ける「シーイン(SHEIN)」についても言及し、「(シーインのことは)ウオッチをしており、どこをどう狙っているかをわれわれとしても理解しているつもりだ。中期的にはそれなりの脅威になると考えており、しっかりと手を打っていく」(澤田社長)。