三越伊勢丹ホールディングスは1日、基幹店の伊勢丹新宿本店の2022年4〜6月期の売上高が、三越と伊勢丹の経営統合(2008年)以降で同期間として過去最高になったと発表した。訪日客による免税売上高はまだ回復していないものの、国内の外商を中心とした富裕層の消費がけん引した。
22年4〜6月期の伊勢丹新宿本店の売上高は、前年同期比39.8%増の725億円だった。前年の同時期は緊急事態宣言による休業を強いられていたため、反動増ではね上がった。だが、それ以上に外商を中心とした富裕層の購買が活発で、訪日客の減少や国内中間層の回復鈍化をカバーした。ラグジュアリーブランドや宝飾品、時計などの高額品がよく売れた。「伊勢丹新宿本店の付加価値の高い品ぞろえが支持された」(同社)と分析する。
同社は1日に発表した22年4〜6月期の連結業績は、総額売上高が前年同期比23.7%増の2428億円、売上高が同14.7%増の1016億円、営業損益が39億円の黒字(前年同期は60億円の赤字)、純損益が56億円の黒字(同86億円の赤字)だった。伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店といった首都圏の百貨店事業の業績が回復した。
百貨店事業の利益改善を受けて、通期(23年3月期)の営業利益予想を上方修正する。修正前に比べて30億円増の170億円を見込む。総額売上高は当初予想の1兆500億円を据え置く。