「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。
今回は、頻繁にバズる「ナイキ(NIKE)」のスニーカーについて。
> 「ナイキ」が手を使わず着脱できる新ライフスタイルシューズ
ソーシャルエディター津田:強いバズではありませんが、最近Twitterで「ナイキ」の“ゴー フライイーズ”に関するツイートをちょくちょく見かけます。昨年に発表した、手を使わずに簡単に脱ぎ履きができるスニーカーです。スポーツブランドの「ナイキ」は、障がいを持つアスリートの意見や思いを受けて“フライイーズ・テクノロジー”の開発に至ったそうですが、発売されると妊婦やリハビリ中の方、通学路を急ぐ学生や子ども、荷物で両手が塞がってしまう人々など、開発当初の思惑より多くの層に需要があったようです。
> 「コム デ ギャルソン・オム プリュス」×「ナイキ」の最新コラボは“ターミネーター”
> 「ナイキ」と「ジャックムス」のコラボアイテムが8月発売 ニットウエアやスニーカーなど
他ブランドとのコラボ商品や“ジョーダン”、“ダンク”など発売したらすぐに完売してしまう人気の型ではない、インラインのライフスタイルシューズでは稀に見るヒット商品です。手を使わずに履けるシューズは、コロナ禍で高まる清潔感にもマッチ。発売から一年数カ月でランニングやバスケットボール、トレーニングなど、様々なカテゴリーのフットウエアにも採用され始めています。これから既存のモデルと融合するなどして、さらに大衆的なシューズになるでしょう。
> 宇宙仕様の口腔ケア製品「宇宙歯磨き オーラルピース」登場 従来品より特許製剤を10%増量配合
記者村上:新しいテクノロジーが、想定外の人たちからも支持され広がっている好例ですね。先日、“飲み込める歯磨き粉”を開発した人に話を聞きました。障がいを持つ子どものお父さんとして、我が子が飲んでしまっても安全、でも口腔内を清潔にできる歯磨き粉を開発したら、サーファーやキャンパーら、海や山を汚したくない人たちからも支持されたそうです。最終的には水がとっても貴重な「宇宙空間でも使いたい」という声が届き、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に国際宇宙ステーションの宇宙飛行士が使用する搭載品として正式採用されたとか(笑)。この会社は、そこから「宇宙でも使えるコスメ」の開発に至りました。「宇宙空間に持っていける荷物の量は限られているから」という理由で作った「1年、1本だけで良い」コスメも、ミニマリストや登山愛好家ら、いろんな人に支持されそうです。
津田:「宇宙でも使える」という非日常かつ大きな夢を胸に開発された商品は、大勢の日常にもマッチしそうですね。僕はトレイルランニングで山を5~9時間走り回っていますが、その最中は歯磨きできません。でも補給食を食べた後は、口の中が気持ち悪くて……!“飲み込める歯磨き粉“、使ってみようかな(笑)。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。