大丸心斎橋店は、本館7階のビューティフロアを“ニューラグジュアリー”層を取り込む売り場として、2024年を目処に再編集する。
19年にリニューアルした同店は、ビューティフロアを本館の1階と7階に設け、1階では建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)による“圧倒的な美の空間”で、国内外の45ブランドを展開している。7階は、グリーンを施した空間でナチュラル系ブランドを中心に17ブランド・サロンを集積していたが、今年から段階的に新ブランドを導入。2月に美容機器やコスメを展開する「アーティスティックアンドシーオー(ARTISTIC&CO.)」、3月に韓国発のスキンケアブランド「ボノトックス(BONOTOX)」やヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)から誕生した「V&A ビューティ(V&A BEAUTY)」などをそろえるショップ「ビエンス(BIENCE)」と「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」をオープンした。8月4日にはトレーニングブランド「シックスパッド(SIXPAD)」、8月29日にはファスティング専門店「エステプロ・ラボ(ESTHE PRO LABO)」のオープンを控えている。
年々、拡大するウエルネス市場を背景に“ウエルネス・ビューティ”ブランドの拡充を推し進める。大丸 大阪・心斎橋店 営業2部 店舗開発担当の篠丸由紀氏は、「これまでの美の捉え方が変化し、外見の美しさだけではなく、肉体美や心の健康美といった『3つの美』を兼ね備えた美しさがビューティであると定着してきた。世界のウエルネス市場は近年においては約500兆円規模と言われており、ビューティも大きく影響している」と話す。
一方で、海外の高級百貨店ではウエルネスとビューティを融合した売り場を展開するが、日本では依然として遅れていると分析。大丸心斎橋店は富裕層からも厚い支持を集めており、ラグジュアリーストアと位置づけていることから、7階ビューティフロアにおいても「“ニューラグジュアリー”にフィットしたラグジュアリーなウエルネス・ビューティブランドを誘致し、30~40代の若年富裕層客の獲得を狙う」と意気込む。
関西エリア初の直営店として2月にオープンした「アーティスティックアンドシーオー」は、主力の美顔器“ドクターアリーヴォ ゼウス”(税込22万円)を筆頭に、“ミスアリーヴォ ザ レイス”(税込15万4000円)など高価格帯の美顔器をそろえており「売れ行きは好調だ」という。同ブランドは日本以外にも、中国や韓国、アメリカなどで販売を行なっており、ライブコマースでブランド知名度を広げている。昨年11月には、中国で開催した「ダブルイレブン(独身の日セール)」で目標売り上げの50億円を上回る記録を達成した。国内では、旗艦店をギンザ シックス(GINZA SIX)や松坂屋名古屋店などに展開し、大丸心斎橋店は5店舗目となる。今回の出店は「美顔器を実際に手に取って体験してもらいたい」という願いから、トリートメントが受けられる施術ルームを完備し、常駐するビューティアドバイザーが、一人一人に合った商品や手入れの方法などを提案する。篠丸氏は「まさに“ニューラグジュアリー”層にフィット。お客さまにも好評だと聞く」と話す。
8月4日にオープンする「シックスパッド」は、女性に特化したコンテンツや商品をラインアップする。最短10分で高効率のトレーニングが自宅でできるEMSオンラインジム「シックスパッド ホームジム(SIXPAD HOME GYM)」専用のパワースーツ(税込11万8800円)や専用のバイク(スタンダードモデル税込13万2000円、ハイエンドモデル税込49万5000円)などを揃える。専門のトレーニングアドバイザーが常駐し、体組織計測定器を使用したトレーニング結果の可視化や食事面のアドバイスなど一人一人のトレーニングに寄り添い、カウンセリングする。なお、「エトヴォス(ETVOS)」跡地にオープンする。
8月29日にオープンする「エステプロ・ラボ」は、管理栄養士や専門資格者などのプロカウンセラーが「専任担当」として一人一人の美容や健康に関する悩みに寄り添い、オーダーメイドの食事習慣・ライフスタイルを提案する。同ブランドを代表する酵素飲料“ハーブザイム 113 グランプロ”シリーズ(3種、500mL、税込各1万152円)や酵素ファスティングアシスト食“ファストプロミール ファスティングプログラムセット”(12食入り、税込7927円)などサロン専売品を発売する。また、店内にはスイソニア(水素吸入機械)も設置する予定だ。7月に、1階のイベントスペースで1週間のポップアップショップを開催したところ「いま注目されているブランドでもあり、幅広いお客さまから支持を集めた」(篠丸氏)と7階の常設店にも期待がかかる。