花王の2022年1〜6月期連結決算(国際会計基準)は、トイレタリーで戦略的値上げやコストコスト構造改革、コストダウン活動を積極的に実施したものの、原材料価格高騰や中国での年封鎖を影響により、売上高が前年同期比8.7%増(実質4.2%増)の7339億円、営業利益が同23.9%減の536億円、純利益が26%減の388億円と増収減益だった。
事業部別では、コンシューマープロダクツ事業(ハイジーン&リビングケア事業、ヘルス&ビューティケア事業、ライフケア事業、化粧品事業を総称)の売上高が同2.3%増(同1.3%減)の5569億円だった。化粧品事業は、売上高が同4.9%増(同1%増)の1160億円。「スック(SUQQU)」や「ケイト(KATE)」など戦略グローバルブランドが好調に推移。中国は都市封鎖の影響で物流が滞り大きな影響を受けたものの、欧州が「センサイ(SENSAI)」や「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」が伸長した。
ヘルス&ビューティケア事業は、売上高が同1.6%増(同2.9%減)の1768億円だった。スキンケア製品は早い梅雨明けと猛暑によりUVケア製品が好調だったものの、全体では前年を下回った。ヘアケア製品も前年を下回ったが、米国のヘアサロン向けプレステージブランド「オリベ(ORIBE)」はECを中心に好調を維持。日本はマス向け製品の競争激化が続くため、抜本的な事業変革を進めている。
22年12月期の連結業績予想は、原材料価格高騰の影響や物流費の上昇、インフレによる景気減速懸念などにより当初の数値を達成することが困難と判断し、利益面を下方修正する。売上高は1兆5700億円(修正前は1兆4900億円)、営業利益が1450億円(同1600億円)、純利益が110億円(同1170億円)を見込む。