ユナイテッドアローズの2022年4~6月期連結業績は、売上高が前年同期比17.4%の296億円、営業損益が18億円の黒字(前年同期は9億円の赤字)、純損益が13億円の黒字(同6億円の赤字)だった。
売上高、利益ともに当初計画を超えたことについて、4日のオンライン決算説明会で松崎善則社長執行役員CEOは「第7波の懸念があるなかでも実績に大きな影響を及ぼすことなく、春夏商戦については順調だ」と述べた。コロナ前の19年度比では約9割の回復にとどまったが、「既存店での回復は図れており、自信を持っているというのが率直な感想だ」と話した。
特に手応えを強調するのが値引き販売の抑制だ。今季は19年度に比べて供給量を15%絞り、セールの開始時期を従来の6月下旬から7月中旬に後ろ倒してプロパー販売時期を確保したことで売上総利益率の改善につながった。単体では19年度比の0.2ポイント、アウトレット部門を除くビジネスユニット部門では1.6ポイント改善した。ビジネスユニットにおける定価販売構成比は同10.2ポイント増の93.2%だった。
通勤ニーズの回復と消費者心理の変化を捉えたMDも奏功した。婦人服ではブラウス、ジレ、ワンピース、カラーパンツなど「気持ちが上がる服が活発に動いた」(同社)という。
秋冬も引き続き、セール依存からの脱却を進める。近年は正月の初売りからセールを開始するの慣習が定着しているが、松崎CEOは「まだ冬が続いている真っ只中にセールを行うことは不本意であり、各デベロッパーと協議を重ねている」という。加えて下半期に向けては、原価上昇への対応を強化し、全体の約2割を占める主要品番で平均上代を約15%引き上げる計画だ。