立秋を過ぎ、8月半ばともなると秋の装いが気になる人も多いだろう。おしゃれは我慢だという意見もあるとはいえ、秋物を着るにはまだまだ暑い日が続く。幸い、2022-23年秋冬シーズンは透け感のある素材がトレンドの一つで、花や刺しゅうをあしらったロマンチックなものからメタリックで未来的なものまで、さまざまなブランドが涼しげなシースルーアイテムを発表している。ここでは、夏から秋にかけて取り入れたい、各ブランドの“透け感ルック”をまとめて紹介する。
「フェンディ(FENDI)」のクチュールおよびウィメンズを手掛けるキム・ジョーンズ(Kim Jones)=アーティスティック・ディレクターは、22-23年秋冬コレクションで、薄くて柔らかなシフォン素材のスリップドレスやトップス、スカートを披露。ミントグリーンやペールピンクといった淡いパステルカラーがセンシュアルな雰囲気だ。裾や縁には花びらのようなラッフル加工が施されており、素材の軽やかさがさらに強調されている。
「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」のファウスト・プリージ(Fausto Puglisi)=クリエイティブ・コンサルタントは、クラシカルな美しさを自由かつフリュイド(流動的)に再解釈するべくシフォン素材を選んだという。また、そのインスピレーション源として、米人気ドラマ「ユーフォリア(EUPHORIA)」に主演するゼンデイヤ(Zendaya)を挙げた。
「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」は、アイルランドの古い寓話を着想源としたコレクションを発表。レースやオーガンジーなどのシアー素材を重厚なベルベット生地と組み合わせ、パールやクリスタルの装飾をあしらうことで、ロマンチックで詩的なムードを演出している。
「バルマン(BALMAIN)」は、防具とコルセットが一体になったかのようなトップスに透けるレース素材のスカートで、タフでありながらもシックな女性性を表現。「エルメス(HERMES)」は、レザーのスカートやミニ丈のドレスに透け感のあるごく薄いニットを合わせ、気品のある、強くてセクシーな女性像を描いた。
ほかにも、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のスパンコールが輝く透け感のあるスリップドレス、「コペルニ(COPERNI)」の“Y2K(Year 2000)” ファッションにインスパイアされたシアーなミニドレス、「ミュウミュウ(MIU MIU)」のメタリックなネットとシアー素材を組み合わせたセパレートなども印象的だった。